胃に優しくないランチタイム 中編
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の人…」
「ん、私のこと?」
「はい、少し道をお尋ねしたいんですが…よろしいですか?」
―――何してんだあのバカああぁぁ!?
◆◇◆◇◆◇◆
「注文お願いしま〜す」
「は〜い」
ところ変わってここは『五反田食堂』。夏休みに入ったということもあり、昼時の今は常連客で賑わっていた。五反田食堂のメニューと、看板娘である『五反田蘭』の人気は相変わらずのようである。
「いらっしゃいませ〜」
「いやぁ、助かりました」
「いいって、いいって。私も丁度同じ場所を探してたところだし♪」
「…どうしてこうなった」
そしてまた店に新たな客が入ってきたわけだが、今度の一行は少し異色の組み合わせだった。蘭は思わず3人の新な客達に意識を向ける…
(……なんか、カラフルな人たちが来た…)
やって来たのは自分と大して年の差を感じない茶髪と水色の髪の少女二人と、何故か凄く疲れたような表情を浮かべている深緑色の髪の少年であった。服装は今時の若者が着そうなお洒落なものであり、3人とも見事なくらいに着こなしている。なんて思ってたら、茶髪で眼鏡の少女が自分に声を掛けてきた…
「席、三人分空いてますか?」
「おいぃ!?」
何故か少年の方は動揺していたがそれは置いといて、店内を見回してみる。この時間帯は昼時のピークということもあり、殆ど満席に近い状態だった。しかし、辛うじてカウンター席に一人分とテーブル席に二人分のスペースを見つけることができた。
「…えっと、すいません。一人と二人に分かれて貰わないと……」
「ふむ、もう少し待つか…?」
「あら、お姉さんは別に一人でもいいわよ?元々、ここには個人的な理由があって来たわけだし…」
「それに俺達は時間が限られてる。ここは、この人の御言葉に甘えさせて貰おうぜ?」
「…分かった。道案内助かった、礼を言う。」
「いえいえ〜。私も道に迷ってたから、お互い様よん♪」
どこから取り出したのだろうか、『持ちつ持たれつ』と書かれた扇子を広げる水色の髪の女性。本当に、夏服ゆえに全体的に薄着な服のどこから出したのだろう。
そんな疑問を抱いているうちに、3人は軽く言葉を交わしてから分かれ、席に着いた……気のせいだろうか?少年が自分のツレである茶髪眼鏡の少女に向かって凄く怖い表情を向けているような…
(なに躊躇せず声かけてるんだよ…!?)
(知らなかったんだ、許せ)
(嘘つけ!! 何度か話した上に要注意人物としてデータ送ったろ!!
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