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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第384話】
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雅。

 追求されたくないのだろうと思うと俺は――。


『そっか……。 雅、来週からのキャノンボールの練習、サポートしてくれよ』

『了解した。 例え第二世代であろうと、カスタムして推力を強化したこの私なら大丈夫だぞ主君』


 声に力強さを感じ、俺はそれに安心すると――。


『頼むぞ、目指せ優勝だ』

『うむ!』


 力強い言葉で返事をした雅の声が聞こえなくなると、俺は隣のシャルの寝顔を見た。

 規則正しく、さっきと同様に寝息を立てるシャル――更々の前髪を掻き分け、念のため周囲を見るも、モノレール内に人が居なく、それに安堵するとその額に口付けを落とした。


「……口じゃ、ないんだ?」

「う?」


 寝息を立てていたシャルの眼差しが、真っ直ぐと俺を捉えていた。

 また全身の体温が急上昇するのを感じ、目が泳いでいると――。


「フフッ……。 眠ってる時、キスはダメだよって言ったけど……して良いんだからね? 女の子の気持ちって、複雑なんだよ?」

「ぁ……ぅ……」


 言葉にならない声が、口から漏れ出る、気づくと既に窓から海が見え、IS学園が近いことを意味していた。


「……誰も今はいないみたいだし、僕も今日は一夏にイヤな思いさせられちゃったし……。 キスで……忘れさせて? ……ん……」


 そのまま身を預け、キスしやすいように上顎を上げるシャル。

 さっきまで、あれほど嫌悪だの何なのと思っていたのに、こうして目の前でキスを待つ彼女に対して、その欲を抑えられない。

 再度、モノレール内に誰も居ないことを確認し、そのまま欲を抑えられずに口付けを交わすと、そのままシャルは俺の両頬を包むように手を添え、何度か軽く、そして長めのキスを繰り返してから唇が離れていく。


「……えへへ。 モノレール内でキスしちゃった……♪」

「ぅ……ん」


 急に恥ずかしさがやって来て、窓の外を眺めてしまうと、シャルは手を握りながら――。


「ヒルト、僕……また一度、ヒルトの家にお邪魔したいな」

「え? あ、あぁ、それは構わないけど」

「……ぅん。 ……そ、その時は……し、シャワー借りちゃう……かも。 なんて……あはは」

「…………!?」


 多分、今の俺の顔は真っ赤に染まっているのかもしれない。

 言ってる意味はわかる……だが、付き合っていない子とそうなっても良いのかという思いもある。

 とはいえ、近いうちにラウラには……その、約束みたいな事をしてしまったし……一体どうなるんだろう、これから……。

 自問自答しても誰も答えてくれない、そうこうしている間に、IS学園島へと入り、見慣れた景色が映ると
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