暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第384話】
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ん。 そうだね」


 そう言ってシャルは立ち上がると、購入した荷物を持とうとするが――。


「ん、俺が持つよ」

「あ……。 うん、ありがと、ヒルト」


 遠慮することなく、シャルは俺に買った物が入った袋を手渡してきた――それだけ信用されてると思うと、内心では少し嬉しく思うとそのままモノレール内に入り、二人用の座席へと腰掛け、荷物は足の間に挟んだ。


「夕日、綺麗だよね……ヒルト」

「ん? そうだな……あれが沈めば、空には満天の星空が拝める。 IS学園は都会の方だが、空気が綺麗なのか山の山頂で見るぐらい星々が綺麗だからな。 この時期、早朝走ってると暗いけど、空は星の光で綺麗だから結構好きだな」

「そうなんだ? ……僕はその時間、眠ってるからヒルトと走れないよ」


 少し寂しそうに笑うシャルの頭を、軽く優しく撫でて微笑む。

 撫でる手が心地いいのか、頭を俺の肩に乗せて――。


「……少し寝ようかな? ……眠ってる時にキスはダメだよ? 僕が起きてる時に……ね?」

「ぅ……。 わ、わかってるって。 ……着いたら起こすから、寝ても構わないからな」

「……うん。 じゃあ少しだけ……」


 そう言って身を預け、少しすると規則正しい寝息が聞こえてきた。

 シャルも疲れたのだろう……今日の出来事だけじゃなく、いつも彼女は人に気を使うのだから。

 ――と、モノレールが動き始め、窓から覗く景色がゆっくりと動きだした。

 規則正しい寝息を聞きつつ、俺は窓の外を眺める。

 まだ街には人々が行き交い、車のテールランプが無数に見える。

 こうやって窓の外を覗くだけで、視界にはそれだけ色んな人が居て、色んな人生があるのだろうと思うと少し感慨深くなる。

 ただ……俺みたいにISを動かせる男は、そうそう居ないだろう。

 ――というか、何で俺が動かせる様になったのかがわからない……と、突如、雅から声を掛けられた。


『主君、その事だが……少し良いだろうか?』

『う……また訊かれてたか。 ……理由、知ってるのか?』

『……ぅむ。 主君が初めて纏ったISは私だからな。 ……まあ、実を言うと、あの時の私は男性の【誰が触っても】起動が出来るように設定されていたのだ』


 そんな雅の言葉に、内心驚きを隠せずにいたが、表情はポーカーフェイスで決めたままだった。

『……じゃあ、俺じゃなくても他の奴にも起動が出来たって訳か?』

『う、ぅむ。 ……だが、その場合だと【また再度その様に調整】せねば男性には使えなかったのだが――その、実は主君は特別に……私が――……ううん、何でもない、主君』


 途中で言葉を止め、やっぱり何でもないという
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ