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第四十一話 同志と苦悩
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トパンツに近い。もっともその上からパレオを巻いているからほとんど見えないけれど。
うん……大丈夫かな。どっからどう見ても女の子……だよ……ね。はぁ、なんか再確認しただけなのに鬱になりそうだ。
このまま落ち込んでいるとあっという間に時間が過ぎていきそうなので気持ちを切り替えて、パレオを外したあとに水着の上から服を着込んだ。
「……よし」
そうして気合を入れなおした僕は、集合場所である海岸へと向かうために部屋の外に出る。すると、ちょうどななめ前の部屋の扉が開いた。
そこから出てきたのは何故か少し元気のないデュノアさんだった。
「どうされたんですか?」
「あ、西園寺さん……えっと、あはは」
力なく笑うデュノアさん。なんとなく、それで僕は理解した。
これからのことを考えて気落ちしていたのだろうと。
「もしかして、デュノアさんも?」
「えっと、西園寺さんも?」
同じ境遇の二人にもはや言葉はいらない。
僕らは無言で固い握手を結び、ともに海岸へと向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
既に海岸では生徒達が思い思いに遊んでいた。
気恥ずかしくはあるけれど覚悟を決めた僕は、人に見られない場所で着替えを済ませて見知った顔を探すことにする。
すると、すぐに織斑君とデュノアさんを見つけた。二人とも更衣室から出てきたところのようだ。ただ、何故かデュノアさんの顔が凄く赤い。
……というか彼女の水着は、普段の授業で使っているISスーツとほとんど変わらない上下タイプのもので、さらにその上からTシャツを着ていた。
考えてみれば、これなら別に彼女はそこまで悩む必要なかったのでは……なんか理不尽だ!
「あ、さ、西園寺さ……ん」
織斑君がこちらに気付いて声をかけてくる。
密かに、出来たばかりの同志に裏切られ憤慨していた僕はすぐに我に返る。あれ、いつの間にか織斑君も赤くなってる気がするけど。
「お二人とも様子がおかしいようですけど……どうしたのですか?」
「へ? あ、いや……俺は別に。シャルルはなんか一緒に着替えてたあたりから……」
……一緒に着替えた?
聞き捨てならない言葉を聞き、僕はデュノアさんへと視線を向けると彼女はさらに顔を赤くして俯いてしまった。
一応、正体がバレたとかそういうことではないのだろうけど……彼が何かしらやらかしたことは明白だった。
「織斑君、ちょっと失礼しますね……デュノアさん、どうしたのですか?」
織斑君に断りを入れ、デュノアさんに小声で話しかける。すると彼女も同じように織斑君に聞こえない程度の声で答えてくれた。
「あう……一夏が、一夏が全部脱いだあとに僕に着替えないのかって。ぷらぷらして、近づい
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