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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第382話】
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がある。

 それを無視して勝手に頼んだのだから俺も言うのだが……あんまりだ。


「蘭はこのスパゲッティ、どう思う?」

「え? も、勿論美味しいですよ、一夏さんっ」

「だよなぁ」


 賛同を得られて嬉しいのか、笑顔の一夏だが――五反田さんは一夏に好意を抱いてるのは誰から見ても明白であるのは間違いない。

 そんな彼女が、もし一夏と反対意見を言って一夏に嫌われたらどうしようと思うのは自然な事だし、賛同するのは当たり前だろう。

 嫌われたくないからイエスマンになる……これは、苛められたくないから力の強いやつにご機嫌伺いをするのと同様のものだろう。

 本当なら彼女も、俺が別行動提案した時、内心では賛成だったはずだ、想い人と二人っきりになれるチャンス何て早々無いし。

 だがそれでも、一夏の四人で回ろうというのに賛同したのは嫌われたくない一心だからだろう……まあ、俺は彼女じゃないから本心はわからないが。

 とはいえ、言い争っても食事が不味くなるだけなので、とりあえず食事を進めていき、直ぐに完食し終えた。


「……相変わらず食べるの早いな、ヒルト。 よく噛んで食わねぇと太るぞ」

「……お前、本気でムカつくな。 ちゃんと食べて噛んでるから大丈夫だバカ」


 太ると言われ、カチンと来てしまい口調も悪くなってしまうのだが一夏は――。


「……何怒ってんだよ。 人が心配してやってんのに」


 そんな上から目線の心配なら余計なお世話にしか感じない、小さな親切大きなお世話だ、俺は確かによく食べるがちゃんと体調管理もしてるし、食べないと体力回復しないから仕方ないだろうに。

 食べ終えた俺は、シャルの食べる姿を眺める。

 小さな口に収まっていくスパゲッティを見てると、不意にシャルとのキスが脳裏に過り、顔に熱を帯びるのを感じた。


「……ヒルト?」

「あ、悪い。 つい見てただけだから」

「……フフッ。 一口食べる?」


 そう言って自身の皿からスパゲッティを取り分けるシャル。


「……良いのか?」

「うん。 確かに美味しいけど、色々カロリー気にしちゃうからね。 ……はい」


 そう言って皿に盛り付けるシャル。


「悪いなシャル、この借りは今度返すよ」

「フフッ。 じゃあ期待してるね?」


 そう言ってシャルは再度スパゲッティを食べ始め、俺も一口盛られたスパゲッティを食べる。

 暫く喋ることなく、食事が進み、全員が食べ終えたのと同時にデザートが運ばれてきた。


「あれ? この付け合わせのアイス、四人とも違うんだな」


 一夏の指摘通り、確かに四人のアイスはそれぞれ違っていた。



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