【ゼロの使い魔】編
008 使い魔の仕事
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。……似ていると云っても、結果≠残せた残せていないかの差異はあるが。
「ルイズ」
「サイ…ト?」
ふわり、と両腕で小さくて華奢なルイズの身体を正面から包み込む。ルイズは俺のいきなりの蛮行に驚いたのか、一瞬だけ身体を震わせて俺の行動の真意を伺う様に訊いて来る。
「よく頑張ったな」
「……何がよ」
「ずっと、頑張ってきたんだよな?」
……俺には支えてくれる──理解してくれる親友と家族が居た。ならルイズは? ……ルイズは公爵家三女、支えてくれる人は沢山居ただろう。……しかし、理解してくれる人が居ない──若しくは、極少数しか居なかったとしたら……?
「うん。……私が魔法を爆発させる度、お母様やエレオノール姉様も私にキツく当たってね、優しくしてくれるのはちぃ姉様だけだった……!」
「ああ」
「杖の振り方、ルーン、思い付くだけの事はやった! それでも、私の魔法は爆発するだけ。……もうどうして良いか判らないのよ……」
「よく頑張ったな。でも、その努力は今日漸く身を結んだじゃないか」
「……どういう意味よ」
「“サモン・サーヴァント”での召喚は成功したじゃないか。……それも、在野の使い魔では無く人間なんて召喚したんだ。多分、この事には意味が有るんだろう」
「本当に……? 本当に私の努力は無駄じゃなかったの?」
「ああ、サイト・ヒラガが誰にも無駄だと言わせないし、誰にもルイズの事を笑わせない」
「……お願い──いや、命令…よ。今から…する…私の言…動は墓ま…で持って…行きな…さい」
ひっぐひっぐと、ルイズは嗚咽を上げながら俺に強く抱きつく。
「ついでに“サイレント”のサービス付きだ」
「あり…がとう。……う…うぁぁぁぁぁぁぁん……」
ルイズの長年溜めていたであろう涙は、凡そ30分に渡り流れ続けた。
「ほい、水」
「ありがとう。……それに、見苦しいところを見せたわね」
「さて、何の事だ? とりあえず今日は俺が一緒に居るし、安物とは云えワインも有る。溜め込んで鬱屈としたもんは吐き出せよ。俺が全部受け止めてやるから」
「そうと決まったら、今日は飲み明かすわよ! ギブアップなんてさせてあげないんだから!」
目を腫らしたルイズと、使い魔な俺の夜会は続く。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「すぅ…すぅ…」
「よく寝てら」
ベッドには規則正しい寝息を発てているルイズ。結局ルイズは俺より先にダウンしてしまい、俺はルイズをベッドへと運んだ。
(それにしても爆発する魔法≠ヒ)
思い当たるフシはある。恐らくは虚無魔法の“エクスプロージョン”だろう。……だとしたら、ルイズは虚
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