【ゼロの使い魔】編
006 ハルケギニアでの日々
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。
「ふんっ! そこの平民よ、これをやるからあまり我が娘に近寄らないでくれないか」
ユーノの父親はトリステイン貴族よくある傲慢不遜な態度で1枚のエキュー金貨を乱雑に置いて、ユーノの二の腕をやや強めに引っ張る。
「行くぞ、ユーノよ」
「……そうですね。行きましょうか。……そうそう、サイト。ただの&ス民は杖を隠し持ったりしないわ」
「はは、ナンノコトヤラ」
(おっふ、バレテーラ)
「ふふ、また会いましょうね<Tイト──いえ、真人君」
ドキリ、冷や水を吹っ掛けられたように心臓が高なる音がした。
「ユーノ、君は一体──」
聞き返そうとした時、親子は既に居なかった。
「まさか、な。……アイツ≠ェ──円がいるはずはない」
何故だか、アイツ≠ニ話していたような──狐に摘ままれた様な懐かしい感覚に捕らわれた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ユーノ・ド・キリクリ。……ほんの少し苦手意識と懐かしさを感じた少女との邂逅から約2週間。俺はと云うと──
「バレッタ師匠、たった今風邪薬の調合終わりました」
「ありがとう、サイト。君が居るお陰で大分仕事が捗る様になったよ」
「いえ、バレッタ師匠には敵いませんよ」
俺はと云うと、トリスタニアで主に平民向けの値段で薬屋を開いている家から勘当されたと云うフリーの水メイジの医者の薬屋を手伝っていた。
……出会った時の事は割愛するが、俺の師匠であるバレッタさんはトリステインで稀に見る良い<<Cジだ。……メイジとしての腕は今一つと云ったところだが。
「悪いねぇ。君に給金が渡せなくて」
「いえ、住≠ニ食≠提供して頂けるだけで十分ですよ。……あれ? 師匠、これは?」
バレッタさんの机から溢れた1通の書物を拾う。
「ああ、それ? ヴァリエールの次女が原因不明の病に臥せていてな。望むだけの物をやるから、次女の病気を治してくれとのお達しだよ」
「師匠は行きましたか?」
「無理無理。スクエアですら治すことはおろか、原因すら判らなかったのにトライアングルの私じゃ門前払いが良いところだよ」
「そうですか……」
「サイト、君なら治せるんじゃないか?」
「診てみなければ判りませんよ」
どんな病気だろうが、ほぼ100パーセント治せる自信はあるが、はぐらかしておく。
「………」
「………」
数秒間の静寂が部屋の中を支配する。……すると、バレッタさんは頬を赤らめながらモジモジしだした。
「今日はもう店仕舞いにするか。……それとサイト、今日の夜も良いか?」
「今日もですか? まぁ、良いんですけどね」
そう
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