暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第6話 「コミュルーム」
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トにもなりうる。複数の選択肢の中から状況に合わせて最善の手を選ぶのは容易なことではないのだ。それにレベルの高い対戦になれば最善の手は読まれやすい手であるため、さらに考える必要が出てくる。まあ今すぐ言うことではないが。

「すっごい、コレがあたしのアバター!?」
「アリサのはフェンサータイプだね。中・近距離向きでトリッキーな機動が最大の持ち味かな」

 バニングスのアバターのタイプは、手にしていたデバイスが剣型であったので何となく予想できていた。赤色を基調とした動きやすそうな衣服は彼女にとても合っていると思う。まあ月村の方も大人しいというか淑女的で彼女に良く合っているが。

「おぉ、アリサよかったね」
「え……何が?」
「それはね、そこにいるお兄さんはアリサと同じフェンサータイプなのですよ」

 バニングスだけでなく、少女達の視線がこちらに向いた。
 アリシア……人の許可もなくアバターのタイプをばらすなよ。そのへんの情報はゲームの勝敗にだって関わってくることなんだから。この子達に知られたところでさすがに本気でやったのなら負けることはないだろうけど。

「そうなんですか?」
「まあね」
「付け加えでもうひとつ、みんなは知らないだろうけどこのお兄さんはすっごいデュエリストなんだよ」
「あぁうん、確かロケテストに参加してたんだよね。フェイトちゃんみたいに全国で何位ってのはないらしいけど」

 月村の言葉にアリシアはきょとんとした顔を浮かべ、そのあとこちらの方に意味深な視線を向けてきた。これから彼女が何を言おうとしているのか予想できた俺は、そっと視線を外すのだった。

「ショウ、もう少しきちんと説明するべきだと思うなぁ」
「嘘は言ってないだろ」
「それは言ってないけど」
「えっと、どういうことなのかな?」
「そうよ、あたし達にも分かるように言ってほしいわね」
「簡単に言うと、このお兄さんはランキング戦に出てたなら全国で1番になっててもおかしくなかった実力者だってこと」

 刹那の沈黙。そして絶叫にも似た声が響いた。
 最初は疑問を抱いていたようだが、アリシアだけでなくフェイトも肯定したことによって少女達の顔からは疑問の色が消えていく。それと同時に輝いて見える瞳がこちらに向けられた。正直に言って、俺はこの手の目を向けられるのが苦手だ。

「そんなすごいこと何で黙ってたんですか」
「いや別に黙ってたわけじゃ……そもそも」
「ショウレベルの人間の謙遜はかえって相手に失礼だと思うなぁ」

 この小さな6年生は俺をヒーローか何かに仕立て上げたいのか。ロケテスト時に上位の実力があったとしても、すでにそのときから大分時間が経過しているんだぞ。今やれば順位の変動だって充分に起こりえるはずだ。

「そういえば……
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