第W章 月華の叫び
第023弾 「絶望」
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2006年 5月 13歳
緋色の光が周辺を包み込み、鵺の『緋箍來』が発射された。
当たれば確実に絶命する正しく「必殺」の一撃、この位置からでは絶対に躱す事はでき無い。
座標移動での転移もタイムラグがあるせいで、行え無い。
なら、どうする―――答えは簡単だ、自分が動け無いなら、足場の方を動かせば良い。
俺はそう判断すると――足場の死点を、手刀で刺し貫いた。
――――ガッガガガッガガッッッッッ!!!!!!!!
「びょぉお!?」
足場――コンクリートで作られていた道――は概念的に殺害され、崩れ去った。
発射された『緋箍來』は鵺が足場を失った事で、射線がズレ、虚しく空を切る。
「後、一発っっ!!」
回避の難しい『緋箍來』の残弾数は残り一発........。脇腹の傷をナイフで殺し、すぐさま戦闘を再開する為に体の向きを変える。
俺と鵺は体制を立て直し、道の下にあった下水道へと、落ちていく。
座標移動で、W体制を立て直した鵺Wの背後に回り込み、死点を切り裂こうとする。
――が、鵺は"ギリギリ"の所で俺の行動に感づき、直撃を避ける為、身を捻る。
「残念――甘過ぎだ、鵺」
切り裂く対象を死点から、左腕の死線に変更し、ナイフで鵺の腕を引き裂く。
――――ビシャァァッッ!!
切り裂いた鵺の左腕から、行きよい良く鮮血が吹き出し、その、真紅のカーテンで視界が塞がれる。
「びょぉぉぉおおおおおおおッッッッ!!!!!」
鵺が、悲鳴とも絶叫ともとれる、叫び声を上げた瞬間。言い表せない悪寒が、背筋を走った。
だが、その悪寒に気づくには遅過ぎた........。
鵺は己が血液でできた、真紅のカーテンを目くらましとし、『煽芭』を放っていた。
――――グシャァァアアアッッッ!!!
一度喰らっただけで、体がバラバラになりかねない程の致命傷を負わす威力を持つ『煽芭』が正面から、身体に激突する。
「――――ッッッ!!!――――ッッッッ!!!!」
"ギリギリ"身体は"バラバラ"に成らずに済んだが、大量の血が流れ、痛みでショック死しそうになる。
「ア"ァ"」
喉がイカレタのか、肺がイカレタのか分から無いが、まともな声すら出せなくなった。
頭が混乱する、次にどんな手を打てば良いか、考えることすらでき無い。
「びょお、びょお、びょお。本当に手こずらせられたっじょ」
鵺は今も、鮮血が出続ける左腕を押さえながら、動けない俺を見下し、嘲笑う。
「その無様な姿を見続けたい、気持ちもあるっじょが、死なれては"直死の魔眼"を手に入れら無くなるっじょ」
鵺はおもむろに、残った右腕を俺にかざし何かの術
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