ケットシーの傭兵
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しまう。
「くそぉ!なんで当てられるんだぁ!」
そして、鎧の間を狙える数少ないうちの一つがこの『ウィンド・カッター』である。
振り下ろされる槍や剣を身体を小さくし、捻り、飛び越えるように躱して、相手の懐へと接近し、切り裂く。と、同時に踏め台にして、次の標的を狙う。アクロバティックな動きで攻撃を全て躱し、一撃必殺必中のヒットアンドウェイによって、部位欠損または、そのままエンドフレイムと化して、また一人また一人とやられていく。
強い…しかし、美しいとも思える畏れを抱かせる。
艶のある長髪が風になびき、滑らかな動きはダンスを彷彿とさせ、異常なまでに的確な斬撃と、全てを躱す反応速度。そして、当たれば即死の状況で相手に超接近を繰り返す度胸。
ラー君と呼ばれたケットシーのダンスが終わったころには、襲撃してきたサラマンダーたちは見当たらなくなっていた。
「アスナさ〜ん、サクヤさんがまだキリト君のことを狙ってて、今度は直接交渉させろって私に頼んできたんでよ。」
「それ、絶対にキリトの奴を誘惑しようとしてるわね。アスナもうっかりしてたら、夫を奪われるよ。」
「そんなの、ぜぇぇぇたっい!だめなんだから!リーファちゃんもサクヤさんを絶対にキリト君と会わせちゃダメだからね!」
「キリトさん、もてもてですね〜。」
チラッとシルフ族の領主サクヤにあって、自分には無い物を見ると声を張り上げてリーファに念を押すアスナ。しかし、どっちもタイプは違えど、超が付くほどの美女と美少女。やはり、自分に無い物に嫉妬したり、羨ましいと思ってしまうのは、まだまだなのか。と考え、小さくため息をつくアスナ。
現在、新生アインクラッドの22層にあるログハウスで他愛ないおしゃべりをしているアスナ、リーファ、リズベットとシリカ達とお気に入りの揺り椅子に持たれて鏡餅のようにお腹にユイとフェザーリドラのピナを乗せて、気持ち良さそうに寝ているキリト。
そして、我関せずと言わんばかりに一人本のページをめくるシノンだが、アスナ達の話が気になるのかケットシー特有の猫耳が時折、ピクピクと動いている。やはり、普段クールな態度をとっているが女子なだけあって色んな話題に興味がそそられている。
「そういえば、ライトっていうプレイヤー知ってる?」
聞いたことのないプレイヤー名を出され、頭上にハテナマークを浮かべる三人。だが、唯一シノンだけが疑問とは別のリアクションをしていた。他の面々は気づいていないが……
「なんかね、黒髪のケットシーで傭兵をやってる人だって。たまにアリシャさんがシルフ寮に遊びに来る時に護衛でついてきてて、わざとサクヤさんに見せつけるようにその人に抱きついたり、腕を絡ませたり、膝枕してたり、写真目せつけたりして自
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