ケットシーの傭兵
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「いっけぇぇえ!ラー君!!」
ケットシーの領主 アリシャ・ルーの声援を背中で受け、一人のケットシーが地を蹴り、空中でこちらの動きを伺っていらっしゃる赤で統一された重鎧を着たサラマンダーの一団へと飛んでいった。
ケットシーとは、あり得ない程の力強い踏み込みで加速して、最も近くにいたサラマンダーへと急接近する。そして、サラマンダーの男は何が起こったのかわからないまま、叫び声をあげる前にエンドフレイムとなり、戦闘から退場した。
「「「っな!い、一撃だと!!」」」
サラマンダーたちに、驚きと恐怖の声があがり、臨戦態勢が崩れる。そして、その時を待ってましたと言わんばかりにケットシーは跳躍し、また一人またひとりと屠っていった。
立て続けに3・4人ばかりやられると、リーダー格らしきサラマンダーは冷静さを取り戻し、集団に指示を出していく。しかし、下手に突撃はできない。なにせ、相手から一撃でこちらを屠ってくることから、相当の手練れだということは言わんや、もしかしたら、SAOサバイバーなのかもしれない。
しかし、相手は目立った防具をつけているわけではなく、紙同然の装甲。
「やれぇぇぇ!相手は紙装甲だ。囲んでしとめてしまえ。」
ランスを持ち、全方位から、サラマンダーが突進をするが全て躱されてしまう。
「な、なんで当たらねぇんだよ!!」
「は、早すぎる!なんだよ!あの動きは!!」
ケットシーの特徴である優雅な身のこなしを駆使して繰り出される曲芸師顔負けの動きと背中にある羽を自由自在に使いこなし、攻撃と回避を繰り返す様子はまるで、空中でステップを踏み、サラマンダー相手にダンスを踊っているようである。そして、その華麗な動きは、まだ誰にもとらえられていない。
「く、くそぉぉぉぉ!なんであたらねぇんだよ!」
「ぎゃぁぁぁ!腕がぁぁ!」
突撃をしてきたサラマンダーの腕がとび、地面に落ちると、ポリゴン片となり、消滅する。
ケットシーの装備は『ウィンド・カッター』の二刀流。
その刃は、とにかく薄く、刃渡りは30cmにも満たない『短剣』の部類に入り、しかも、他の武器と打ちあわせると、簡単に砕け散ってしまうどうしようもない武器だが、装備すると、風の抵抗を減らし、さらに部位欠損に相当のボーナスがつく。
先ほどから、ケットシーが狙っている箇所は首。
つまり、一撃の理由は、首の部位欠損。つまり、首切断。しかし、なぜみんなそこを狙わないかというと、首をピンポイントで狙うのは相当難しくさらに、首は急所に指定されており、ダメージも大きくなるため、当然のことながら、備えも万全。特に、サラマンダーのランス部隊などは重鎧に守られており、関節部分の僅かな隙間を狙わなければならない。少しでも外せば、攻撃を鎧に弾かれ、反撃を食らって
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