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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第380話】
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あの! 今日一緒にまわっても良いですか!?」


 両手で拳を作り、力一杯声を出す五反田さん。

 何とか勇気を出して声を出したのだろう、言葉は力強く感じたが語尾が何だか少し不安そうな印象を感じた。


「うん」


 あっさりと返事をした一夏だが、いつの間にお前が仕切ってるんだとは思う。

 だが、これで一夏は彼女に付き合うだろうからゆっくりシャルと二人で買い物に行けるだろうとも思った。

 ――と、あっさり返事が貰えて安心したのか、体勢を崩す五反田さんを、慌てて俺は支えた。

 一瞬脳裏にセクハラや痴漢といった言葉が過るが、彼女は目をぱちくりさせて俺を見上げていた。


「大丈夫か? っと、ちゃんとたてるか?」

「は、はぃ……」

「うん。 まあでも立ち眩みとかだと心配だからな、折を見て何処かで休憩をとるといいかもな」


 そう言って、確りとその場でたってるのを確認すると、俺は支えた手を離してシャルの元へ。


「……何気なくヒルトって、支えるの早いよね」

「……店内で倒れたら店の人にも周りの人にも迷惑かけるからな。 てかタイミングまた逃したな……」


 呟くように言葉を吐きつつ、早くこの異空間から脱け出したいと思っていると後ろから五反田さんの小さな独り言が耳に届いた。


「……テレビや情報雑誌で言ってるイメージと違う……。 ……ぅぅん、でも、あの人は落ちこぼれの問題児だって人気コメンテーターの人も言ってたし。 ……うん、一夏さんの方がカッコいいし、強いし、優しいし、優秀だし、惑わされちゃダメだもん……!」


 ――丸聞こえという罠、だが俺は別に優しい訳じゃないからな……今のだって、店の人にも迷惑かけるし、倒れて怪我でもしたら彼女もせっかくの休みなのに気持ちが落ち込むだろうからな。

 まあ問題児なのはそうだろうが……主にアリーナの使用時間を越えての訓練とか。

 そう思っていると、一夏の暢気な声が聞こえてきた。


「じゃ、皆で色々見て回るかー」

「あ、悪いが俺とシャルはここで別行動とるよ。 五反田さんも、その方が良いんじゃないか?」

「え、えぇっ!?」


 いきなりの別行動発言に、戸惑いを見せる五反田さんだが、反面これはチャンスだと思った筈だ。

 彼女自身、好きな人と二人きりの方がいいだろうし、邪魔もなくなるから願ったり叶ったりのはず。

 みるみる内に表情に輝きを見せ、返事をしようと口を開こうとしたその時、一夏が――。


「何でだ? 別行動とるより四人でまわる方が楽しいじゃん。 そうだろ、蘭?」


 ニコッと眩しい笑顔で五反田さんへと笑いかける一夏。

 そんな当の五反田さんはというと、とろん
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