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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第380話】
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 そう思っていると、一夏は何を思ったのか――。


「あぁ、少し苦戦したけど何とか相手を撃退したぜ」

「「…………」」


 ――この子の期待を裏切らないために嘘をついてるのか、はたまた一夏の脳内では撃退したということになってるのか……。

 ……真実は話すわけにはいかないから、黙っておこう……言えば査問にかけられるし。


「あ、そうだ。 話はかわるけどさ、あのチケットまだいけたはず。 蘭、ケータイ持ってる?」

「は、はひっ!」


 声が裏返る彼女は、スカートのポケットから携帯を取り出す。

 それを見てから一夏も携帯を取り出すと操作し、ダイレクト接続に切り替えてデータの転送をした。

 多分キャノンボール・ファストの特別指定席だろう――生徒一人につき、一枚の招待券のチケットデータが貰えているのだが……俺はどうするかな。

 因みにシャルは学園に返した――送りたくても、友達はフランスに居るだろうし、帰国すれば拘束されるかもしれないし――代表候補生とはいえ、性別詐称していたのだから……。

 デュノア社に関しては株価が下がってはいるが腐っても量産機シェア三位な上にISスーツ等の売り上げも良いらしく、何とか潰れずに済んでいるが……とはいえ、いつか天罰が下るだろう、主にシャル――実の娘を使ってハニートラップを仕掛けようとした罪で。

 とはいえ、肝心のシャルが俺に向いてる辺りは誤算だったのかもしれないがな……。

 腕組みしながら考え事をしてる間も、一夏と五反田さんの会話は続いていた。


「あの……これって?」


 転送されたチケットデータを眺めながら聞く五反田さん。


「今月行われる『キャノンボール・ファスト』の特別指定席。 見たいだろ?」

「あっ、はい! ぜひぜひ!」


 一夏のキザっぽい言い回しに頬を赤らめる五反田さん――この子も一夏が好きなのだと確信しつつ、夏みたいにまた下着の整理とか頼まれたりしないかと気をつけているが、どうやら今回はそんな女性は居ないらしい――。

 とはいえ、早く出たいが二人が会話を続けていると切り出すタイミングが難しいので、俺はとりあえず待つことにした。


「でも、学園祭の時と同じで一人一枚なんだよなぁ。 招待券。 友達の分まであげれなくてゴメンな」

「い、いえ! 大丈夫です! 私の友達は皆、中継で満足するタイプですから!」

「へぇ、そうなんだ」


 データ転送を終え、一夏は携帯をポケットに仕舞い、五反田さんはポケットではなく肩に下げた鞄の中に携帯を仕舞った。

 漸く切り出すタイミングが出来たと思い、俺は口を開く――のだが、それよりも早く、五反田さんの口が開いた。


「あ、
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