悩ましき日々
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らすなよ!」
あー、頭痛い。
「心拍数異常ありません!」
心臓動いてるのか・・・よかったぁ
「よしっ! 救急車に乗せるぞ!」
え? 救急車?
「せーのっ!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
気づいたら僕の体はタンカに固定されていた
救急車の後ろの扉が開いており、まさに今積み込まれようとしている状況を
僕は瞬時に理解した
「班長! 意識が戻りました!」
僕に見える範囲で、救急隊員は3人いた
男、男、女だ
ちなみに女性隊員さんのお胸は割と大きめだった
仰向けに寝かされている僕の頭上に覆いかぶさるようにしてなにやら作業をしているので
ローアングルから合法的に凝視することができた
怪我するのも悪くないかも・・・
そんなことを考えていると、周りには大勢の野次馬(学生)がいることに気づいた
いや、気付かされたといったほうが適切か
なにやら巨大なものが落ちてきたとき、周りにはたくさんの学生がいたので
気を失っていた時間はそんなに長くはなさそうだ
そこで初めて、大勢から見られているということを正しく認識した僕は
目の前のお胸の興奮とのダブルパンチによって・・・
「班長! 心拍数が急激に上がりはじめました!」
「なんだと!? 早く救急車で運ぶぞ!」
正直、体はどこも怪我してないみたいだし
意識もはっきりしているので、ここで開放されたいという気持ちがあったが
それを上回る羞恥心が、僕に「救急車でここから脱出」の選択肢を選ばせたのだった
・・・
病院で一泊し、検査を終えて再び研究室を訪れたのは
翌日の昼下がりだった
研究室の入り口に立ち、違和感を感じる
もうお昼を過ぎているはずなのに誰もいない
ドアにはカギがかかっており、「 当分の間休講します。 永田 」の張り紙が目に留まる
「・・・?」
そんなこと言ってたっけ? まあいいや
この1日でみんなから遅れた分を取り戻すにはいいチャンスかもしれない
今日中にみんなに追いつかないとな
研究室配属の日に教授から渡された研究室の合鍵を使い、ドアを開け中に入る
部屋の中から花のいい香りがしてきた
今まで研究室に花なんて飾ったことなかったと思うのだけど。
そう思いながら部屋の中に進んだ僕の目に映ったのは
机の上に置かれた2つの花束だった
僕の思考回路が急激に動き出し、結論が出る。
それに納得できず、僕は別の結果を考え始める
しかし、思考回路は既に停止していた
いきなり突きつけられた現実
2人が・・・死んだ?
僕の悩ましくも楽しかった日々がもう戻らないと分かった時
今までの日常が崩れていく音が
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