悩ましき日々
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加えて、「活発」「前向き」という三拍子がばっちり備わっている
ちなみに研究室での席は僕の後ろ
そして紹介がかなり遅れたが、やっと自分の名前が出てきたので自己紹介
結城 蓮、22歳、男です! ・・・よし、これでばっちりだ!
人間性や性格は、そのうちばれると思うのでここでは割愛。
そして気づいてしまった
永田教授が僕に
「おう、おはよう
後藤くんに結城くん 今、田村くんにも話していたんだが・・・・・・」
そこから先は覚えていない
なにやら、最近の技術のことやら趣味のことやらいろいろ話してた気がする
僕の耳から入る音の波動は鼓膜を振動させ電気信号となって脳に伝播し
そこで言葉として認識されて意味を理解するはずなのだが
どこかで完全にシャットアウトされていたらしい
よくやった。 さすが僕のブレーン
ただ、30分の休憩を取り損ねた僕の心が
しくしくと雨模様に変わった事だけは、はっきりと覚えていた
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教授の一方的な言葉責めから解放されたとき、時計の針は12時を回っていた
かれこれ2時間以上も話を聞いてたのか(半分も覚えていないが)
話が終わり、満足そうに部屋を出て行く教授を見送った後
3人で机に突っ伏していた
「お疲れ」
いづきが申し訳なさそうに、後から来た2人を気遣う
「別に、俺は疲れてないし」
ケンヤがいつもの調子で返事をする
体育会系は忍耐力や体力において文系の人間よりハイスペックなので
そこまで疲れていないらしい
「僕も疲れてないから、大丈夫だから・・・」
いづきに心配かけまいと、全力のやせ我慢を試みる
さっきそっとドアを閉じようとした少しばかりの罪悪感と
申し訳なさそうないづきの顔を見ては文句は言えない
「今日はどんな地雷を踏んだの?」
「今日は早いですねって言ったら
『いつもこの時間に来てるんだけど誰もいないんよねー』
・・・から始まって
自分の研究の事とか、最近のニュースの事とかいろいろ。
自論を展開してたから、途中から聞いてるフリして聞き流してたけどね」
「地雷を踏む」とは、教授のながーいお話が始まる原因を作ってしまう事を指す
この研究室の中でなら通じる、ローカルワードだ
開放まで、短くて30分、長ければ今回のように2時間を越えることもある恐ろしい兵器なのだ
「とりあえず学食行かない?
話の途中から腹が鳴り出して、内容が全く頭に入ってないんよね」
ケンヤが下腹部を右手でさすりながら提案する
というか全員が話を聞いてなかったのか
僕だけだと思ってたから、少し心が軽くなったような気分だ。
赤信号 みんなで渡れば
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