暁 〜小説投稿サイト〜
明日の日記
悩ましき日々
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
今日はいい天気だ
PCの中のあの娘も「今日もいい天気ネー」って言ってたし
ほんとにいい天気だ。

空を見上げても雲のカケラも見当たらない
どこまでも青。

ああ、なんてすがすがしい気分なんだ
こんなに天気が良いと自分の心まで爽やかになってしまいそうだ
どこまでも晴れ渡るこの空のように、僕の心もまっさらに!

どこまでもどんよりとした心(だって眠い)を持つ学生が自分を皮肉っている

ああ眠い

超眠い

研究室に着いたら少し仮眠を取ろう
そうすれば、どんよりとした僕の心にも木漏れ日が差し込むだろう  ・・・と思う

僕の研究室のコアタイムは10~17時なのだが
今日は30分前には到着できそうだ
家にいたら寝てしまいそうだったので、早めに出発したのだ
その30分を有効活用させていただくとしようじゃないか
教授が研究室に顔を出すのは、11時前くらいだから
10時半くらいまで安眠しておいても大丈夫な気がしないでもないが
こういうときに限っていつもより早く来たりするものだ
安全策をとるのが賢明か。

気づけばもう研究室の前まで来ていた
部屋の中は土足厳禁なので、入り口にある靴の数を見れば中に何人いるかはわかる
サンダルが一足と靴が一足。部屋の中には2人いる
靴を脱いで、そっとドアを開ける

1人は同級生、そして彼に話しかけているお方は・・・永田教授ではありませんか
あれれ? おかしいなぁ
何でこんなに早くいらっしゃってるのかしら?
しかもなんか熱心に語ってるし
いづきもそんなに一気に教えられてもわからんだろうに
・・・あ、いづきこっち向いた  
おいおい、そんな助けて欲しそうな顔でこっちみないでおくれよ
僕は教授の餌食になっている君を置き去りにして
10時まで休憩しようと思ってるんだからね 学食とかでさ
まぁ、運が無かったと思って諦めるんだ   さらばだ。友よ

田村いづきは同じ研究室の同級生で、席が隣なのでよく話し相手になってくれるいい奴なのだ
僕が暇そうにしていると、いつも話しかけてくれる
僕の友達と呼べる数少ない人物の1人だ    
いつもお世話になってます

・・・が、それとこれとは話は別なのは言うまでもないのだ
残念だが、僕に君を助ける勇気なんてないのさ
こっちは眠くて眠くて仕方がないんだよ

友達と呼べる数少ない人物を見捨てて、僕はそっと部屋を出ようとした
幸い、教授はいづきと向き合って話しているので僕が見えていない

見えていなかったのに

「失礼しまーす!
 レンおはよー
 あれ? 先生今日は早いっすね お疲れ様です いづきも」

後藤ケンヤ
体育会系だが、そこまで肌は黒くない
こいつを一言で表すなら、間違いなく「元気」だ

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ