第3章
月光校庭のエクスカリバー
第65話 怒れる疾風
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ィン!
『ッ!?』
突然地面から一本の剣が生え、千秋の蹴りを遮った。
ピキピキ。
蹴りを受けた剣にひびが入るが、それだけで折れる事は無かった。
「そこまでだ…」
声がした方を向くと、アルミヤが地面に手を当てていた。
……あの剣はこの人がやったのか。
「ここまでだライニー。この勝負、君の負けだ」
「………」
地面に倒れていたライニーはそれを聞くなり苛立たしげに顔を逸らし、弾き飛ばされた十字架と脱ぎ捨てたローブを取りに行く。
アルミヤは自身が出した剣に近付き、手を触れ、呟く。
「……堅牢さを重視したのだが…なかなかの威力だな…」
パキャァァン!
そう呟いた瞬間、剣は儚い音を立てて砕け散った。
「……それ、聖剣?」
「その通りだ」
「……聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)か…」
「ご名答」
聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)、噛み砕いて言ってしまえば、木場の魔剣創造(ソード・バース)の聖剣バージョンの神器(セイクリッド・ギア)。
つまり、この男もゼノヴィアとイリナと同じ聖剣使いと言う訳か。
残る神田ユウナはおそらくライニーと同じ十字具(クロス)使いとにらんでる。
ま、その事はともかく、これでオカ研と教会による戦いは無効試合になったイッセーとイリナの戦いを除けば、一勝一敗の痛み分けとなった。
もっとも、イッセーとイリナの戦いは状況的に見ればイッセーの勝ちである為、オカ研側の二勝とも取れたがな。
「……さて、今度こそおいとまさせてもらおう」
「先ほどの話、よろしく頼む」
教会の五人がこの場から退散しようとする。
ちなみにイッセーによって服を消し飛ばされた女子達(当然イリナも含む)は副部長によって服を魔力で修繕されていた。
「念の為聞いておきたいのだけど、聖剣を奪った堕天使、誰だか判明してるの?」
「直接実行したのは神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部コカビエルだ」
「……随分と大物の名前が出てきたな」
部長の問いに対するゼノヴィアの答えに俺は眉間にしわを寄せる。
堕天使陣営の組織神の子を見張る者(グリゴリ)。
その幹部であり、聖書にも名を載せる程の堕天使コカビエル。
大物中の大物だな。
「幹部クラスを五人で。死ぬつもりなの?」
確かにそれ程の大物相手にエクスカリバーの使い手がいるとは言え、教会の戦士(エクソシスト)五人で挑むのは無謀に近い。
ましてや相手もエクスカリバー(使えるか分からないが)を持ってる訳だしな。
「聖剣を堕天使に利用されるくらいならこの身と引き換えにしてでも消滅させる」
「覚悟の上よ」
「……事前調査に来ていた連中がいたが、何人か殺されているのを発見した…」
「……多分全員殺されている…」
……この間見た神父の死体はそれか。
「……やったのはフリード・セルゼンだ」
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