第十一話 ハーレーの女その六
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「君達のね」
「最初から自分の色なのかね」
薊は腕を組んで言った、今一同は駅前のイギリス風のダークブラウンの色彩の喫茶店にいる。店の名前はマジックという。
「これって」
「赤や青がね」
「それを無意識でわかっていて、かよ」
「うん、だから君達はそれぞれの色が好きでね」
「服とかに出ていたのかよ」
「そうではないかな」
智和はこう薊、そして他の三人と裕香にも話した。
「僕はそう思うよ」
「ふうん、何か難しい話だな」
「意識と無意識の問題は難しいよ」
「哲学、じゃないのな」
「哲学ではなくて心理学だね」
そちらになるというのだ。
「この話は」
「心理学、ねえ」
「そちらになるよ」
「何かわからねえな、どうも」
薊は腕を組んだまま難しい顔になるばかりだった。
「そういう話はさ、學校の勉強はどうにかわかっても」
「そうよね、どうもね」
裕香も困った顔になって首を傾げさせる。
「こうしたお話は」
「難しい話なのは確かだね」
智和もこのことは否定しない。
「とにかく自分が自覚していなくても自分の中にあるものが出るんだよ」
「それが無意識か」
「そう思っていいんですね」
「うん、そう思ってね」
いいと答えた智和だった。
「簡単に言うとそうだから」
「それが無意識か」
「そういうことですね」
「そう思ってね。ではね」
それではと話してだ、そしてだった。
智和はあらためて四人にだ、一旦コーヒーを飲んでからそのうえでこう言った。
「君達の謎のヒントが出て来たね」
「北斗七星ですね」
「それですね」
「うん、君達にはそれぞれの星があるね」
北斗七星のそれがというのだ。
「そして北斗七星はね」
「七つ、いえ八つでしたね」
菖蒲はすぐに智和にその数を答えた。
「北斗七星は」
「そう、双子星があるからね」
「だから八つですね」
「それが北斗七星だよ」
「ではあと四人ですか」
菖蒲は智和の言葉を聞いて述べた。
「私達と同じ様な人達は」
「そうなるね、八人でね」
「あと四人ですね」
「うん、そうなるよ」
智和もこう答える。
「あと四人だよ」
「そうですね、そして」
「多分後の四人の人達もね」
その四人も、というのだ。
「それぞれの力を持っていてね」
「その力が何かはわからなくとも」
「まだね、けれど力を持っていて」
「そのうえで、ですね」
「そう、それぞれの星を背負っているよ」
そうなっているというのだ。
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