SAO編
第二章 曇天の霹靂
3.慙愧の領主
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目だ。
あたしは籠手同化型円盾《ラウンドシールド・ガントレット》を自分の前に掲げてキリュウさんの前に立った。
『ギィィィ――――ィィィイイ!!』
直後振り下ろされるワイアプラーの両腕。
そしてそこから放たれるのは――――
――投剣のソードスキル!!
「ハッ! ヤァ!!」
同時に飛来する黒紫の投剣二つを、突き出す盾と、即座に引き戻す盾により左手だけで弾いた。
「……」
背後の無言から感じるのは信頼。
あたしは――あたしたちは強くなっている!
一層でフレンジーボアに梃子摺っていた自分はもう居ない。
――あたしは、キリュウさんの力になれている!!
足手纏いは、もう懲り懲りだ。あたしはこの人の《仲間》になりたい。
『イィィィ――!!』
距離をとりながら再び放たれる二つの投剣。食らえば明らかに状態異常を起こしそうな警戒色のライトエフェクトを纏った短剣があたしへと迫る。
「……ふっ!」
ワイアプラーの攻撃と同時、背後より飛び出す一迅の蒼い人影。
一度目は相手の技後硬直時間を計っていたのだろうキリュウさんが俊足で距離を詰めて硬直中のボスに攻撃を加えた。
二本あるボスのHPバーが微かに減少する。
「――!!」
あたしは即座に《威嚇》スキルの一つ《アトラクト・グレァ》を発動。
ターゲッティングカーソルを当てた対象に十秒間視線を合わせ続けることで、対象のヘイト値を増加させる睨み技。
ダメージを与えたキリュウさんに向かった意識をもう一度あたしへと引き付ける。
『キィイィィ――!!』
ワイアプラーがこっちに近付いてきた。
体格は相手の方が三倍も四倍も大きいが、動きはそれほど速くない。
攻撃も左の盾で防げるだろう。
だったら此方から仕掛ける!
出の早いソードスキルで確実に削ようとシステムアシストを起動させた。
「ルネリー! 駄目だ、下がれ!!」
「――えっ!?」
キリュウさんの叫びで咄嗟にスキルを強制キャンセル。
訳も解らないまま、だけど反射的に捻るようにして体を後ろに転がし急速離脱。
直後、ワイアプラーの大きなローブに包まれた胴体がぶくりと膨らんだかと思うと、バシュゥゥッ! とローブの裾の下から黒い霧が噴出した。
「!?」
即座に距離を取る。
――あ、あ、あ、危なぁあああ!!
ビックリした。あのままソードスキルを放っていたら、絶対モロにあの黒い霧を食らっていた。
「……あまり近付き過ぎるな」
「は、はい!」
――あぅぅ、失敗してしまったよぉ。
黒い霧は数秒後には薄れて消えていった。
たぶん、接近戦を仕掛けようとするとあの黒い霧を出
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