SAO編
第二章 曇天の霹靂
2.鏡の表裏
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で覗いていたわたしは、首を傾げながらそれに応えた。
今わたしたちが居るのは、六畳部屋をふたつ縦にくっつけたような細長い書斎だった。
此処は二階西棟の中間に位置する部屋で、二階唯一の安全地帯だ。
敵の出ない安全地帯はこの洋館ダンジョンでは此処だけのようで、わたしたちはモンスターとの戦闘を避けながらこの部屋まで辿り着いた。
どれだけ放置されていたのか、既に部屋の至る所が風化していて、唯一まともに読めそうだったのが、レイアの持っている日記らしき本。
わたしたちは情報を、謎を解くヒントを探していた。
キリュウさんとルネリーが大きな姿見に吸い込まれてしまい、わたしとレイアは取り残されてしまった。
鏡を調べたがうんともすんとも反応はなく、時間が経ったせいで部屋の中のモンスターがリポップしてしまった。
同時に、主街区の教会でかけてもらった対アンデット用の祝福バフも消えた。そろそろ帰ろうと思っていた矢先にこの理解不能な事態。
レイアは、姿見を調べることを一度断念して安全地帯に移動することを提案してきた。しかしそれはキリュウさんたちに繋がるかもしれないあの姿見を放置していくという意味でもあった。
わたしはそれに躊躇したが、いつ合流出来るかもわからない状況で聖水を余計に消費するのは避けたいという理由を聞けば、渋々ながらも同意せざるを得なかった。
幸いにも、パーティーを組んでいたおかげで二人のHPだけは確認できた。
微少な増減はあれど、HPバーがグリーンからイエローになってはいないことを見れば、まだそれほど危険な状況には陥っていないということだ。
二人も戦っている。こちらと合流するために。
マップ上で存在が確認出来ないということは、キリュウさんたちはたぶん隠しダンジョンに送られてしまったのだろうという結論になった。わたしたちが一度行った場所ならば、必ずマーカーで解るはずだからだ。
でも、《測量スキル》を持つレイアでさえ、二人が消えた鏡の向こう側をマッピングすることは出来なかった。それはあの姿見が単なる隠しダンジョンへの隠し扉ではないことを示していて、あの二人は何処か別の空間へと移動してしまったのだということが解る。
トレイン上等な状態で、脱兎の如く安全地帯に飛び込んだわたしたちは今後について話合った。
『仕掛けがある以上は、何かしらのヒントがあるはず』
そういった結論を出したわたしたちは、数時間前にただの休憩で立ち寄った時には、モンスターのドロップアイテムが目的の時には見向きもしなかった書斎の隅にある本棚で《これ》を見つけたのだ。
不死者の館の書斎で見付けた日記なんてアイテム、謎解きヒントの定番中の定番だ。
「もう少し続きがあるみたい」
「他人の日記って何故かすっごく気になるッス
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