暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第二章  曇天の霹靂
1.不死者の館
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んは躊躇いなく鏡の中へと飛び込んで行きました。

「キリュウさん!」

 ルネリー同様に姿見に吸い込まれるキリュウさん。
 彼が動いたことで、硬直していた私やチマもようやく体が動いてくれました。
 キリュウさんに続こうと姿見に向かいます。

「え……!? な、なんでっ!?」
「入れないッス!」

 キリュウさんとルネリーを吸い込んだ姿見。けれど、私とチマは鏡に触れても吸い込んでくれませんでした。

「ど、どうしてッスか!!」

 バンバンと鏡を両手で叩くチマ。しかし返ってくる反応は【Immotal Object】とシステムタグが視界に浮かび上がるだけ。
 キリュウさんが吸い込まれた時、一瞬だけ鏡の向こう側が見えました。
 床に倒れていたルネリーと、その場所に降り立つキリュウさん。
 しかし、今の姿見が映すものは、驚愕に彩られた表情の私とチマだけでした。

 ――分断、させられた……?

 どうしていきなりルネリーたちが吸い込まれたのか。
 どうして私とチマは鏡の中へ入れなかったのか。
 理屈の解らない事態に私たちは混乱するしかなく。

「うっそ。こんなのときにッスか……」

 ザーザーと、気付けば月は雲に隠れ、雨が窓ガラスを叩いていました。

「……え?」

 チマの声に振り向くと、モンスターのリポップが始まっていました。
 床に渦巻く影の中から幾多の小さいキューブが飛び出し、醜悪な外見の化け物たちを成型していく。

「……っ、チマ! とりあえず、もう一度全部倒してからこの鏡を調べ直すよ!」
「ういっ、了解ッス!」

 既に両手剣を構え直していた友人。
 私も腰から鞭をほどき、敵に向かって構えました。

「って、ああああ!?」
「どうしたの、チマ!?」

 前衛に立つチマのいきなりの叫びに驚く。
 反射で訊ねると、

「バフが切れてるッス!!」
「……っ!?」

 教会で受けた祝福の支援効果が切れた。それは、私たちにとって最悪に近い知らせでした。
 いくらレベルが上とはいえ、強化された夜間のアンデット系モンスターは祝福バフがなければキツイということは以前の経験から解っていました。
 万が一のために、聖水は後衛の私が四十個、他三人が各自二十個ずつ所持しているはず。
 けれど聖水の効果時間はたったの五分。
 キリュウさんやルネリーたちと離れ離れになってしまった状況では乱使用は避けたい。

「チマ、予定を変更しましょう! 一旦、安全地帯へ移動するよ……!」
「ええええ!? あの二人はどうするんスか!?」
「此処に居れば何度もモンスターはリポップするし……二人を探すためにも、聖水を此処でいくつも消費するのは避けるべきなの!」
「あぅぅ、た、たしかにそ
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