暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第二章  曇天の霹靂
1.不死者の館
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》はHPがゼロになって弾けて消え去りました。
 索敵を行ったキリュウさんの合図で、私たちは警戒を解きます。

「ふぃぃ……終わったッスねー」
「今のでこの部屋のモンスターは最後ですね」
「……ああ。部屋の外にも近くには反応は無い」

 アストラル系モンスターは壁をすり抜けることも出来ます。
 彼らの巡回経路に壁の有無や通路は関係ありません。視界に居ないからといって油断は出来ないということです。
 ですが、今のモンスターで此処等近辺のモンスターは全滅したはず。
 私たちは時間をかけて洋館の通路という通路、部屋という部屋のモンスターを倒してきました。
 依頼されていたドロップアイテムの布革製防具もかなり溜まっています。
 ルネリーがシステムメニューウインドウを開いて時刻表示を見ました。

「あ、もう結構いい時間ですね。月も出てきましたし、そろそろ帰りますか、キリュウさん?」

 時刻は後二分で十八時になろうとしていました。
 既に窓からは月明かりも差し込んでいます。
 此処は洋館の西棟、三階通路最奥の部屋。探索した一番最後の部屋です。
 基本的に一部屋の中には三組から四組の敵パーティーがいるみたいで、この部屋には三組の敵が居ました。
 部屋というにはかなり広くて、私の家の敷地が全部入りそうなくらいでした。豪華な内装ですが何十年も手入れをしていないみたいにボロボロになっています。ベランダに出られる大きな窓のすぐ横には、ドア程もある大きな姿見が置かれていました。何故かこの姿見は館の数ヶ所で同じものを見ました。

「……そうだな。これ以上は敵の力も強くなる。目的は果たしたし、戻るとしよう」

 暗くなった窓の外を見ながらキリュウさんが応えました。
 夜間はアンデット系モンスターの力が増します。中には特殊能力が増える敵も居るのです。
 危険度が上がるところに長居は禁物ということです。

「そうと決まったらさっそく外に――」

 階層と階層に挟まれた夜空に浮かぶ月――今日は満月みたいです――を見ていたルネリーは、身を翻して部屋の出口へ向かおうとしました。

「――って、わわっ!?」

 けれど、何かにつまずいてルネリーは体勢を崩してしまう。
 何か、何か掴むものっ、と彼女が手を伸ばした先には、あの大きな姿見。
 ぶつかるっ!? と思った瞬間。

「え!?」

 ずぶり、と手が、腕が、体が、鏡の中に――《沈んだ》!
 倒れながらどんどんとルネリーは姿見に吸い込まれていく。

「ルネリー!?」
「……!」

 私は咄嗟に動く事が出来ず、ただ彼女の名前を叫びました。
 その同時、キリュウさんがルネリーに向かって手を伸ばしました。けど、あと一歩のところで届きません。
 直後、キリュウさ
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