SAO編
第二章 曇天の霹靂
1.不死者の館
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まで戻せるわ。そうやって得た布素材は今までの布とは出来が違うの。この布で新しく作り直せば」
「より上位の性能を持つ装備が作れるばず、と?」
「より上位なデザインをも可能とするはずだわ」
「…………」
件の洋館でモンスターと一戦を交えたプレイヤーから布製防具を買い取り、その辺のことは確認済みらしい。
「報酬はいつもどおり歩合制ね。多く採ってきてくれればそれだけあなたたちの装備を充実させることが出来るわ」
私も色々な作品を手掛けることが出来るしねー、と恍惚の笑みを浮かべるアシュレイさんの圧力に負け、いつも通り俺たちは依頼を受けることになった。
「それじゃあ今日は準備するとして、明日は教会で祝福してもらってから出発しましょうか!」
ルネリーの言葉に皆が頷く。
アンデット系モンスターは他の種類のモンスターに比べて戦い難い。
既に死している奴らに通常の攻撃は大幅にその効果を減らす。いつもよりもダメージが与えづらいのだ。
しかし、対抗策は存在する。
それは主街区や大きな村に必ずある教会だ。神父またはシスターのNPCにお布施を渡すことで、『祝福』という名の支援効果をかけて貰える。多少金はかかるが、アンデットに対して通常攻撃よりもダメージが上乗せされる上にゴースト系モンスターの放つ《呪い》の状態異常にも耐性が付き、持続時間も六時間と十分な長さを持つ。
教会ではその他にアイテムも売っていて、道具屋などで手に入る通常のアイテムよりは効果は低いが、状態異常回復の薬や、手軽に対アンデットバフをかけられる聖水などが安価で手に入る。
俺たちは他の階層でもアンデット系モンスターと戦ったことがあった。
奴らは攻撃力自体は大したことは無いが、状態異常を付与してくる攻撃が何より厄介だった。
今の俺たちの平均レベルは36。階層としての安全マージンは十二分にとれてはいるが、今回はより念入りに準備をしておくのが無難だろう。
この日は装備の手入れ、アイテムの補充、件の洋館の情報収集などをしてから宿屋で十分な休息をとった。
翌日の正午。
午前中に野暮用を終わらせた俺たちは第十八層へと移動し、主街区の教会で全員分祝福をしてもらい、しっかりとバフがかかっていることを確認してから街を出た。
「アンデット系モンスターが出る謎の洋館…………まさにいかにもッスよね〜」
第十八層を一言で言うのならば、《天候変化の激しい森林地帯》だ。
他の階層でも一日ごとに天候や気温、風速などは変わるが、十八層は特に顕著だ。
『山の天気は変わりやすい』とよく言うが、それを体現している。
晴天だったのがいきなり豪雨。曇天で強風だったのがいきなり無風の快晴。
寒帯エリアではないため雪
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