SAO編
第二章 曇天の霹靂
As2.村正
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ンに入った。
――だが、その技は知っている。
ソードスキルの弱点は、一つの例外もなく、定められた軌道を動くことだ。
ゆえに、どれだけ速かろうが、どれだけ強力だろうが、システムアシストが立ち上がる直前に、その軌道から外れてしまえば意味は無い。
「んな!?」
両手用曲刀スキル超近距離下段攻撃技《ムーンファング》。
上弦の三日月を思わせる黄光の斬軌が、ソードスキルで素振りをしながら俺の横を通過した山刀使いの両足を薙ぎ、両断する。
――理解した。こいつらは俺より弱い。少なくともレベルに十は差がある。
ソードスキルはプレモーションが命。それは同時に《脚が命》ということでもある。片足を切断されたら、バランスなんてあったもんじゃない。バランスが悪ければ、プレモーションも満足にはとれない。激しく動き続ける戦闘中なら尚更だ。
だからか、足は意外と切断しにくくなっている。あくまでも他の部位と比べて微妙な差だが。
それなのに、こいつの足は両方とも一撃でザックリ。こいつと俺の力量差は歴然だ。膝から下が消えた状態では、もうこいつは満足に戦闘に参加することは出来ないだろう。
「な……!?」
間抜け顔で絶句している残りの四人。
どうやら間抜けなのは顔だけじゃないらしい。
《数の優位》を有効活用しない上、更に俺にとって有利になるような隙さえ作ってくれるとは。
――本当に、あいつらソックリだ……!
自分より弱い相手にしか強気になれない。自分よりも強い相手には間抜け顔で何も出来ない。
屑。くず。クズ。
どうしようもないゴミ過ぎる。
「…………疼く」
潰したいと、酷く疼く。
消したいと、心が騒いでいる。
「な、何なんだよお前……おれらが、お前に何したってんだよ……っ!?」
地に這い蹲る足無き男が叫ぶ。
その顔には恐怖が浮かんでいた。
――そうだ、その顔だ。
馬鹿面で笑っていたクズが、その顔を恐怖に歪ませる。
この表情を、俺は見たかった。それを見ると胸がすくわれるようだ。
そして直後に来る、このゾクゾクとした快感。
「………………っとだ」
「は?」
もっと、もっとだ。
もっと……その絶望した顔が見たい。
「もっと…………――――絶望、しろ」
ヒュン、という風切音。
「……え」という男の口から洩れた声。
俺の振るった剣の軌跡が、這い蹲った脚無し男の後ろ首に閃を描く。
男のHPバーが、緑から……黄……赤へ……そして、消えた。
「あ……あ、あぁ、ア、アあぁあアァあああァああア――――――」
《最高の顔》をしながら、男は光に爆ぜた。
「はっは」
な
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