SAO編
第二章 曇天の霹靂
As2.村正
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に繰り出しているかのどちらかだろう。
しかし、俺は現在、まだ六層に居た。
一人僻地で狩りを行っていたため、攻略が終わったという情報が届かなかったのだ。人との交流を極限まで減らした弊害だった。
「……」
早朝七時。俺は迷宮区最寄の村《アルスタ》を目指し、緩く続く岩肌の山腹を歩いていた。
この時間から既に起きだしているプレイヤーは珍しくないが、攻略直後の層の迷宮区以外のエリアを歩いているプレイヤーは俺ぐらいのものだろう。
俺はこれから六層迷宮区に繰り出し、単身で攻略して七層に向かう。主街区から転移門で、でもいいのだが、やはり迷宮区をとばして次の階層に行くというのはゲーマーとしてズルをしているようで腑に落ちない。アルスタで装備を修理して迷宮区へ赴き、今日中に七層に辿り着くとしよう。
――まあ、ボスが居ないのがあれなのだが……。
そう思って山道を行く足に力を入れた時だった。
「……っ」
既に癖となった定期的な索敵に反応。思わず腰の武器に手を伸ばしたが、すぐに張りつめた気を緩める。
――プレイヤーか。
前方に表示されたのは青色カーソルがひとつ。山道にごろごろしている大岩に遮られ、まだ姿は見せていないが此方に向かって近付いてくるようだ。
――めんどくせぇ……スルーだな。
恐らくは、俺がさっきまで居た狩場に向かうのだろう。
「…………」
だが、少し気になるな。あの狩場は経験値は高いしドロップもそこそこだが、かなり強力なモブがうじゃうじゃリンクしてくる非常に危険な狩場だ。パーティーを組んでる奴らでさえ倦厭してるってのに、たった一人で行こうとする馬鹿な奴が俺以外に居たとは……。
いったいどんな奴だと気配のあった方向を見る。
数十メートル前方、麓からの登り道の向こう側、ひとつの大岩の影からそいつは現れた。
「なっ………………ガキ……だと?」
意図せず口に出てしまうほど、その人物は俺の想像とはかけ離れていた。
身長は百五十あるかないかというところだろう。
顔は幼く中性的、たぶん男。中学一、二年くらいか。
明るめのブロンドを短く揃えている。
装備は革鎧系のようだ。どこかで見たことのあるダガーを右手に持っていた。
――おい。このガキの装備……ほとんど《第一層》で揃えられるものだぞ……っ!?
俺は軽く戦慄した。
こんな下級も下級の装備で、しかもたった一人であの狩場に行くのは無謀だと思ったからだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……あっ!」
そのガキは、何故か疲れた表情をしていて、俺を見た瞬間、声を上げた。
「……」
何故このガキが声を上げたのかは知らないが、俺には関係ない。
このガキが無謀
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