アリシゼーション編
序章?彼の世界で待つ者
白亜の塔で待つ者達
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達は、どれ程準備が出来た?」
「…………ッ!」
「なる程」
ゴキン、と音がして騎士は力なく地に伏す。次にレイは悲鳴を上げている方の騎士に近寄ると、ソレを静かにさせた。
人界最強の戦力である整合騎士と実力をほぼ互する暗黒騎士。その果てた姿が荒涼とした地に晒された。
「終わったみてぇだな。旦那」
「そちらも……って随分と派手にやられたな、ベルクーリ」
「あー、ほらアレだ。連続剣の、時間差で最後の一撃が来るヤツをな」
「油断するなよ……お前に逝かれると面倒だ」
「そうかい?」
ベルクーリと呼ばれた彼より頭一つ分大きな男は、砕かれた兜を小脇に抱えながら頭をバリバリとかいた。
整合騎士団団長ベルクーリ?シンセシス?ワン。教会付き剣術指南役レイ?トレーター?ルナ。
人界最強の名を欲しいままにする二巨頭が同じ任地に居ることはまずあり得ない。
そもそも、レイが戦地に赴いたのが数年来だった。
「……それにしも、危なかったぜ。まさか暗黒騎士の連中が編隊を組んでやって来るたぁ……」
「元老院が捕捉したのは偵察騎の一騎みたいだな。何にせよ、大事に至らなくて良かった」
ベルクーリの出征日数はまだあったが、1度帰還するように命令が出ていた。
最低限の警戒をしつつ、彼らの飛竜が来るのを談笑しながら待つ。
「そういやお嬢は元気かい?」
「ああ。最近はファナティオ殿と仲良くしているらしい。料理を習ったらしく、ご機嫌だった」
「あん?ファナティオのヤツが料理を教えた?アイツ、料理なんて出来たのか」
「……知らなかったのか」
コイツの鈍感さというか無神経さ……古い記憶の中に未だあり続ける『アイツ』にそっくりだ。
(懐かしい……本当に)
元気にしているだろうか。愛する彼女とは仲良くやっているだろうか。
そんな事を思って、フッと苦笑いする。
幻想に過ぎない分際で何を思っているのかと。
そして、胸に去来する得体の知れない喪失感。誰か、大切な人を忘れているような……。
「……イ……おい、レイ??」
「ん、何だ?」
「何だじゃねぇよ。ボーっとしやがって……心此処に在らずって感じだったぜ?」
「いや何。少し考え事をしていただけさ。……来たみたいだな」
「ったく、油断するな、つったのはお前さんだろうに」
二頭の銀竜が、ゆっくりと降下してくる。
何はともあれ、今日のところはこれで決着だ。
誰かの声がした。私を優しく呼ぶ、綺麗な声。
「目覚めなさい、天界より来たる騎士、アリス?シンセシス?サーティ」
意識が急速に覚醒する。しかし、何も分か
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