暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第二章  曇天の霹靂
As1.望んだ世界
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れられる世界。
 まさに、俺の渇望した世界だ。

「――オラァ!」

 街道をひたすら駆けながら、目の前に出てきたモンスターを倒す。
 目指すは迷宮区のあるエリアの隣のエリア。
 第一層のフィールドモブの中では一、二を争うほど倒した時の経験値が高いモブが出る場所だ。小さいが、鍛冶屋も宿屋もある村も近くにあるので、そこを拠点とする。
 しかし、当然ながらそのモブはかなり強い。HPはやや少なめだが、一撃の攻撃力がヤバい。
 今のレベル3の俺では、数回のヒットでHPはゼロになるだろう。
 茅場晶彦の言葉通りならば、それは…………《死》を意味する。

 ――だが、それがどうした。

 俺が居なくなっても、心配してくれる人間なんて居ない。
 俺が死んでも、涙を流してくれる人間なんて居ない。
 居酒屋のおっさんのことも、もういい。人間関係ってやつに疲れていたところだ。
 俺は此処を死に場所としたい。
 俺の人生、生まれた時には既にロクでもないってことは解ってたんだ。
 だったら、最後くらい思い切り楽しみたい。生きているということを実感したい。

「クハッ、クハハ! アーッハッハッハッハハハハハハハ!!」

 ――このSAOせかいで、俺は精一杯生きて……そして、死んでやる……!
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