SAO編
第一章 冒険者生活
Ex2.裏方の仕事人
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間に《バリ》、もしくは《バリー》と呼ばれているらしい」
「ほむほム、なーるなル。ビーターに何かをしようとしている人物らしい《バリ》って奴が、その《バリーモッド》とかいう奴かもしれないト」
もう既に、件の人物と接触していたということか。そしてその人物を見て、実際に事を起こしそうな奴と思ったってことだろうか。
「…………それだけでもないのだが……」
「?」
――まだ何か理由があるのか。
小首を傾げた私にキリュウは言う。
「そのバリーモッドというプレイヤー……どうやら、ルネリーに気があるらしい」
「…………ハア?」
想像を遥かに超えた答えに、思わずキャラが崩れそうになってしまった。
――なんでいきなりそんな展開に?
と、彼の話を聞きながら情報を整理する。
なるほど、女性が極端に減ったSAOじゃ、美少女というだけで目立つ。しかもここはゲームの中、現実では有り得ない《強さ》をアピールすることが出来る場所だ。容姿が特に酷いという者ではなければ、可愛い女の子も高値の花ではないと考える輩も出てくるというものだろう。
「――つまり、自分のオンナを盗られたくナイ、ということダナ。ククク」
ここで茶化すのを忘れない私は、キャラになりきっているなと思う。
「そういう関係ではない。……が、守りたいと思う仲間だ。企み事をするかもしれないような人間を、彼女たちに近付けさせたくはない」
「まーまー、そういうコトにしておこうカ。……くひ」
「……」
おっと、不機嫌にさせてしまったかな。
だが、こういう所は年相応な態度だなと自然に笑みが浮かぶ。
今回の件は私にも関係がありそうだし、今後のことを考えてもやはり調べておいた方が良さそうだ。
「オーケー、いいダロウ……その依頼、この鼠が引き受けタ!」
今夜は、長い夜になりそうだと思いながら、私は力強く言った。
その後、ちょいと意味深ぽい言葉を残して、私は酒場を出た。
――さぁ〜テ、まずはっト……。
歩きながらフレンドリストを開く。
目当ての人物を見つけ、簡単にメッセージを飛ばす。
返事はすぐに帰って来た。そしてそれを何人かで繰り返す。
今メッセージを送ったのは、キリュウたちとは別の協力者たちだ。SAO内の情報を再確認してもらっているキリュウたち四人とは毛色が違い、主にプレイヤー関係の情報を集めるのに役に立ってくれている。このほとんどが元ベータテスターで、その時代からの付き合いでもある。彼らは利己的な分、自身に有益であれば、こちらにとっても有益となる信用に値する者たちだ。しかし、彼らの多くはソロではなくパーティーを組んでいる。つまりは、ベータテスターということを周り
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