SAO編
第一章 冒険者生活
Ex2.裏方の仕事人
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人的な調査とくれば、いつもとは勝手が違うヨ? ちゃんとお代は貰うシ、色々と細かい決まりもあるんダ。そこんトコ、解ってるよナ?」
「……ああ、勿論だ」
私のモットーは《金になるなら自分のステータスすら売る》だ。
自分で言いだした訳ではないが、ベータ時代にそういう噂が流れ、以来それを貫いている。まあこれもキャラ作りの一環だ。
誰かが情報を欲しがり、私にそれを依頼する。と、ここで《誰かが何と言う情報を欲しがった》という情報が出来る。依頼者はその情報を私が商品として扱う、という事も考慮に入れて私に依頼しなければならない。その情報に対する口止め料を払うも払わないも自由。私は買い手売り手の情報を《お金》でやり取りすることを公表している。
人に依っては私には依頼をしたくないと思うかもしれないが、それに対する私の武器は《正確性》、《信頼性》、そして《早さ》だ。
《お金》はこの世界で生きる者にとって共通の必需品。私はお金に嘘は吐かないし、逆もまたしかり。お金だけが、この世界で――いや、現実でも仮想でも、唯一《信頼が目で見ることが出来る》モノなのだ。信頼の形としてはこれ以上のものは無い。
私の言葉にキリュウは、更に険しくなった顔で頷く。
「くっくっク、まあそんなカタくなんなヨ。まずは依頼を聞こうじゃないカ。キミからの頼みは初めてだケド…………あの三人には聞かせたくない話なんだろうウ?」
「……ああ」
いつもカルガモの子供みたいに後ろをくっついている三人娘の姿は見えない。重っ苦しい雰囲気を纏った少年の様子を見るに、結構ヤバゲな話かなーと想像する。
キリュウは飲み物すら頼まずに、本題から始めた。
「……調べて貰いたい事は二つ。一つは、《ビーター》と呼ばれるプレイヤーについて知りたい。特に、人柄などを」
「――ッ」
思わず、飛び上がりそうになった。流石にこれは予想外だ。
この少年がビーターなんぞに何故興味を持ったのか。
ビーターとは、ベータテスターにして重度のMMOゲーマーのことを指し、ベータテスト時の情報を以って他プレイヤーよりも利を得ようとする者の蔑称だが、一般プレイヤーの間では、ベータテスター=ビーターという認識になっているプレイヤーも多い。この少年は何を思ってビーターを調べようとしているのか。有り得ないとは思うが、悪意を持って調べているとは思いたくない。
そう思ってしまった私は、情報屋としては失格モノの質問を返した。
「はて、なんでマタ?」
これは必要の無い質問、ただの興味本位だ。つい言ってしまった事とはいえ、人に依っては情報の引き出しとも捕らえられかねない。
「……その理由は、調べて貰いたい事の二つ目にある」
だがキリュウは、気にした風もなく話を続けた。……
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