SAO編
第一章 冒険者生活
13.戦場霧中
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頼みには一応の義理は果たしたと結論を出す。
確かな疲労を感じている躰に喝を入れ、俺は本来守るべき者たちのもとへ向かった。
「キリュウさん!!」
毒ガスが晴れて、途端に見えるようになったシステムメニューウインドウで確認し、三人の居場所へ歩き出してすぐ、ルネリーたちの方から此方に向かって走って来た。
そして俺を見つけた三人は、ぶつかってくるように俺の胸へ飛び込んできた。
「もうっ、もう! どこにいたんですか! 心配したんですよっ!?」
「そうッスよ! なんか、ウネウネ〜ってのが毒ガスの中から飛び出してきたり、それから逃げようとしてみんながワー! ってなったりで、大変だったんッスからね!」
「……ウインドウ上のマップでもいきなり居場所が確認出来なくなったので、本当に……心配、しました……っ」
俺を見上げながら責める三人は、同様に目尻に光るものを浮かべていた。
――心配、させてしまったな……。
事情が事情ゆえに三人を放置する形となってしまったが、やはり自責の念を感じる。
しかし詳細を説明することは出来ないので、上手く誤魔化すしかない。
「……済まなかった。色々あったが、兎に角こうして無事に戻って来れた」
「はいっ、はい……っ」
肩を震わせて頷く三人。
だが、ずっとこのままというわけにもいかない。
まだボス戦は終わっていない。すぐ向こうではまだ攻撃が行われているのだ。
その後、俺は三人を促し、戦線に復帰した。
ボスのHPバーは既に一本を切っている。
終わりが見えたと誰もが思ったが、瀕死のボスの抵抗は凄まじく、又情報に無かった《鞭スキル》をも使用してきた。後で考えてみれば、毒ガス内ですでに使用していたのかもしれないが。
剣のように扱っていた根はしなりを帯び、その軌道は複雑。
苦戦を強いられることになったが、壁部隊との連携で乗り切ることが出来た。
そして幾度と攻撃を繰り返した後、ボスの身体は光に包まれ、最後に大きく吠えながら、ボスはその身を光の粒へと変えていった。
「やっと……終わり、ましたね……」
三人がいつかのような笑顔を向けてくる。
戦いは終わった。今回、俺のやるべきことは全てやったと思う。
流石に疲れた。早く安全な場所で横になって休みたい。
聞けば、少し休憩したら第四層へ上って主街区を開放するらしい。
俺たちはそれについて行くことにした。
「…………ふぅ」
これからも何度となくボス戦を行うとは思うが、今回のようなややこしい状況は二度と勘弁願いたい。
――そうだ。バリーモッドのことをアルゴに報告しないとな……。
疲労でボーっとする頭でそんなことを考え
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