暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
12.ビーター暗殺
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けつつ、アルゴから送られてきたメッセージを確認する。どうやら、予想は嫌な方が当たったらしい。これで俺は決断を迫られることになった。ビーターを助けるために行動するのか、それとも自分には関係ないと放置するのかを。

 ――しかし、何処かアルゴの書き方は、ビーター寄りな意見に感じるな……。

 少なくとも、中立には見えない。
 ビーターという利己的な人物、そのビーターに危害を加えようとする人物、他人に迷惑をかけるという意味なら、確かに後者なのだろうが。
 優柔不断と知りつつ迷う俺。

「…………」

 だが、メッセージの後半を読み進むことで、俺の心は決まった。

「――では、ボス部屋に入る! 壁部隊から順に入ってくれ! 入ってすぐにボスの攻撃を受ける訳じゃないから、みんな焦らずに進んでくれ!」

 一層強い声が、その場に響いた。
 今からは俺にとって、二つの意味で厳しい戦いとなるだろう。

「キリュウさん、行きましょうっ」
「やってやるッスよー!」
「全力で、みんなを援護します」

 俺を振り向いて声をかけてくる三人。

 ――守りたい。

 否。

 ――絶対に、守る……!

 三人に応え、俺は右手に持った槍を強く握りしめた。

「…………行くぞ」




   ◆




 ――ズンッ……ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。

 いくつもの鉄製ヘルメット越しに、あたしはボスの部屋に通じる大きな扉が開くのを見た。
 開いた扉の向こうは暗くて見えない。ごくり、と唾を飲み込む音が近くから聞こえた気がした。

「ゴーゴー! 進め進め!」
「行くぞーお前らぁ!」
「ぱらりらぱらりら〜!!」

 プレイヤーたちが前から順に扉の向こうになだれ込む。
 あたしたちも、人の流れに飲まれないように、しっかりと地に足を付けて進み出した。
 扉を潜くぐると、突如、真っ暗だった中に光の線がいくつも生まれた。
 その光が照らし出したのは、先ほどまで会議をしていた場所の数倍は広いドーム状の空間。
 蔦が絡まり合ったような壁には、いつの間に出来たのか、等間隔に幾つもの穴が開いていた。まるで、蔦を避けて出来た窓のように外から光が入りこんでいるみたいだった。
 光は、ドームの側面にある無数の窓から中心に向けて集束していた。
 だんだんとドーム内部の暗闇も晴れてくる。

「みんな、まだ近づくなよ。索敵にはかからないが……見えるだろう? 《アレ》がボスだ……!」

 光と、プレイヤーたちの視線の集まる先、そこには、一本の木があった。
 その木は、落雷に当たってしまったかのように、太い幹の上半分が無かった。刃物を使ったわけでもなく、鈍器を使ったわけでもなく、ただ有り得ないほどの膂力を以って引き千
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