SAO編
第一章 冒険者生活
12.ビーター暗殺
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版の差異が起こりうるかの考察も書かれていた。いつ何時それが来るかもしれい、ということを頭に入れておけば、咄嗟の状況に対して少しでも早く動きだすことが出来るというものだ。
「――各部隊、二〜三パーティずつのローテーションでボスに攻撃を与える! 壁部隊だけは、攻撃部隊と支援部隊の二つを対応して貰うので、少し忙しくなるかもしれないが、よろしく頼む!」
腕の太さほどの長い長い幾千幾万もの枝々が重なり合って出来ているような床と壁、そして扉。二木の部屋にあった大きなパソコンの後ろから伸びているいくつものケーブルが纏まっているのを思い出す。大きさも量も比較にならないが、太く織り重なったケーブルの上を歩いてるような感覚だ。
全てが木製、というより木そのものだからか、一層や二層の迷宮区のような燃え盛る松明は無い。その代わり、其処彼処に微かに輝く苔のようなものがあった。決して明るいとは言えないが、それでも不自由しない程度の明るさはあった。
「ボスの攻撃を壁部隊が凌いだら直ぐに攻撃部隊、支援部隊とスイッチ! 次の動作が始まるまでの硬直に、スイッチを重ねて思いっきり攻撃を叩きこめ! 支援部隊は少しでも長く攻撃時間を稼ぐために、行動遅延系や系の援護攻撃をしてくれ! だが、号令には従えよ!? 長く攻撃をし過ぎてもボスの憎悪値を取ってしまうことになるからな! 壁部隊はスイッチと同時にヘイトスキルを使用、ボスのタゲを他へ漏らすな!」
先頭にいる数人が、ボス戦での注意事項を叫んでいる。
流石にこの場面で私語を話す輩は居ないようだ。
ルネリーたち三人も、真剣な顔でそれを聞いていた。
しかし、俺はと言うと――
『……と、結論から言えばバリーモッド、彼は《黒》ダ。確かにビーター……今回の場合ならば《黒コートの少年プレイヤー》に対しテ、何らかの行動を起こすことを友人との酒の席で何度も言っていたらシイ。そして、彼……バリーモッドに関して言えば、行動を起こすちゃんとした動機もあるにはアル。だがそれは八つ当たり、もっと言えば被害妄想に近い理由によるものダ。《ビーター》というのはネ、ひとりを指す言葉ではなく、本当はベータテスト経験者であり、更にMMO系ネットゲームというものに深くハマっている者、つまりは《ベータ時の情報を効率良く扱う知識を持ったプレイヤー》のことダ。当然、ただ単にベータ経験者だったのとかSAO初心者よりも利を得ることに優れてイル。そして、それゆえに一般プレイヤーたちから嫉妬その他を受け易イ。…………今現在、顔が割れているビーターは少ナイ。だから、確実にビーターだと判明しているプレイヤーにその全てが向けられるんダ。……そう、あの黒コートの少年に、ネ』
ルネリーたちの後ろで、ボス戦の注意事項に耳を傾
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