SAO編
第一章 冒険者生活
12.ビーター暗殺
[15/15]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
最初の三倍近くにまで膨張していた。根で作られている体が膨らみ、内側から押されるように全体に細かい亀裂が出来あがっている。
「……スナ、もうすぐ俺たちも後退しよう!」
「ええ、わかったわ!」
ビーターが最後に一撃入れようとソードスキルのモーションに入った。
――今だ……っ!!
あらかじめ協力者であるパーティーメンバーに言って、俺はレイドからもパーティーからも抜けている。この場で唯一人の何にも属していないプレイヤーになったのだ。
この状態で、ターゲットカーソルを不細工に膨れたボスの巨体へと固定する。
あとは、ビーターの足が巧く攻撃軌道上に来るように、ボス目掛けてソードスキルを放つだけだ。
――さあ、だぁれも悪くない不慮の事故…………を起こそうか……!!
「うおおおおお!!」
「おらああああ!!」
俺とビーターとの声が被り、同時にソードスキルを放つ。
しかし俺の攻撃は、ボスを目指しながらも確実にビーターに近付いていく。
――喰らえぇ!!
攻撃の間合いが一.五倍になる効果を持つ野球のスイングのような軌道をとるソードスキル。
両手用直剣重単発技《フロウ・スプリット》。
ライトグリーンの斬光が、ビーターの足に直撃した。
直撃した、ように見えたのだが。
「な…………ななな、なにぃっ!!?」
ギャリーン!! と肉を斬った音にはありえない金属同士の衝突音が聞こえたのと同時に、システムアシストが中断されて俺の動きが止まった。
否、止められた。
無論、ビーターは未だ無傷だ。
ゆるいU字を描いて今まさに斬りかかろうとしていた俺の大剣は、ビーターの片足があった場所の直前で《一本の槍》にその行く手を遮られていた。
反射的に俺は、その長い槍をたどって持ち主を見る。
そこには――。
「て、テメェは……」
「…………」
どこかで見た、深い青色の髪と眼をした無愛想野郎が居た。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ