SAO編
第一章 冒険者生活
12.ビーター暗殺
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も変わってくるので、攻撃部隊はもとより支援部隊や壁部隊まで狂うように攻撃に参加していた。
……しかし、俺はというと、人ごみに紛れながらも攻撃には参加せず、じっとタイミングを窺っていた。
――この時こそ、俺が求めていた好機……!
目当てのアイツは案の定、ボスの近くに陣取ってソードスキルを放っている。
今、この時だけは、この場に居る全てのプレイヤーはボスに気を取られていた。
それもそのはず、第四層への門を守護するこのボスを倒すのが今回のレイドの目的だ。
誰も、それ以外の目的があってこの戦いに参加したなんて思わないだろう。
…………俺(と協力者)、以外はな!
「ボスの体が膨らみ始めた……! 毒ガスまでもう少しだ! 全員、ドームの壁際まで退く準備をしておけ!!」
少し後、そんな大声が聞こえた。
プレイヤーたちは少しでも多く攻撃を当てようと躍起になっている。
これだ。この混沌を待っていた。
俺は大剣を両手で握りしめ、ボスに――――アイツに近づく。
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
人ゴミを掻き分け、前に、前に。
すぐに黒コートを纏った少年プレイヤーの後ろ姿が、俺の間合いに入った。
憎たらしいことに、隣には栗色の髪の美少女も居る。
――だが、これでお前も終わりだよ……!
あとは簡単だ。毒ガスの範囲から逃げる直前に、背後から奴の片足にソードスキルで切りつけ、部位欠損を起こす。俺の両手剣なら、ボスドロだという黒コートに守られていない足なんて問題なく斬り落とせるだろうし、背後からの奇襲という優位もある。そして拙速な退避が求められる場面で、片足が部位欠損状態ならば確実に逃げそびれるだろう。つまりは毒ガス内に取り残される。視界の効かない広範囲のガス、しかもガス内ではボスの無差別な攻撃があるという。
――待っているのは確実な…………《死》だ。
こんなプレイヤーの多い場所でPKプレイヤーキルを試みるなんて、普通は誰も思わないだろう。それもそのはず、圏外でプレイヤーに攻撃を仕掛ければ頭上のカーソルは犯罪者カラーになる。緑色カーソルの中に、ひとりオレンジカーソルは目立つだろう。そうなったら言い訳は出来ない。
――だけど、例外もあるにはある。
作成者である茅場晶彦にどんな思惑があるのかは知らないが、この《ソードアート・オンライン》のゲームシステムには幾つかの抜け道、《穴》がある。
まるでPKや犯罪を助長しているかのように。
その《穴》のひとつを、俺はある人に教えてもらった。
通常、混戦で味方に武器が当たってしまったとしても、それは《偶発ヒット》として障害物接触と同様の扱いになる。ダメージは受けないし、攻撃して
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