SAO編
第一章 冒険者生活
11.第三層フロアボス攻略会議
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ルネリーたちにもそれが向けられてしまうかもしれない、ということだ。その上、ビーターが噂通りの人物だったとしたら目も当てられない。限られた空間で、更にそれがまだまだ続くというのに、こんな序盤からして日陰者の烙印を押されてしまうのは如何なものか。
「……解らない、どうしたらいいかなど。……だが、だからといって放置するわけにもいかない」
「ほーウ、それはまたどうしテ?」
「……昨日この村へ来たときに、一人の男性プレイヤーにフロアボス会議の日取りを質問した。そして今日、中央広場で行われた会議のあと、再び会ったそのプレイヤーは《バリーモッド》と名乗った。彼は仲間に《バリ》、もしくは《バリー》と呼ばれているらしい」
「ほむほム、なーるなル。ビーターに何かをしようとしている人物らしい《バリ》って奴が、その《バリーモッド》とかいう奴かもしれないト」
「…………それだけでもないのだが……」
「?」
「そのバリーモッドというプレイヤー……どうやら、ルネリーに気があるらしい」
「…………ハア?」
つい数時間前のことをアルゴに話した。男の態度、言動に俺でも解るほどのあからさまな彼女への好意を感じたということ。そしてバリモッドは、恐らく今後も接触してくるだろうということ。
「――つまり、キミは自分のオンナを盗られたくナイ、ということダナ。くっくっク」
何を勘違いしたのか、アルゴは嫌な笑みを浮かべて肩を軽く叩いてくる。
「そういう関係ではない。……が、守りたいと思う仲間だ。企み事をするかもしれないような人間を、彼女たちに近付けさせたくはない」
「まーまー、そういうコトにしておこうカ。……くひ」
「……」
本当にこのにやけ顔の女に依頼して大丈夫なのだろうかと少し不安になった。
しかし当のアルゴは、俺の感情に反してやる気を見せ、姿勢を正して胸に手を当てて言ってきた。
「オーケー、いいダロウ……その依頼、この鼠が引き受けタ!」
そう言った彼女の顔には、何かの決意が透けているような気がした。
翌日、フロアボス戦の当日。
俺たちは身支度をしたあと、余裕を持って集合場所である中央広場に向かった。
「やっばいッスぅ。心臓ばっくばく」
「つよいんだよね、ボスって。うーん、どんなんだろっ」
「……気をつけようね? 無理してまで戦うこともないんだから」
アルゴからの連絡はまだ来ていない。
『――流石に時間も時間ダ。ギリギリになってしまうガ、迷宮区に出発する前にはメッセージで知らせル。…………そのあとの行動は、キミに任せるヨ。助けるも助けないも、キミの自由ダ――――』
あのあと、アルゴはこの言葉を残して直ぐに店を発った。
つい今し方、広場に向かうがてら近く
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