SAO編
第一章 冒険者生活
11.第三層フロアボス攻略会議
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全員の名前をバリーモッドと名乗った男に教える。あまり人と話すのが得意ではない俺とレイアに気を使って全員分を紹介してくれたのかもしれない。
「そ、そっか……ルネリーちゃんっていうのか。あっと、じゃあフレン――」
「おーい! バリ〜〜行くぞ〜〜!」
「ぐえ、もうかよ……」
男性が、恐らくフレンド登録を申し込もうとしたそのとき、広場の反対側から大声が上がった。男性の反応からして、仲間が彼を迎えにきたみたいだ。男性はうーんと数秒悩んだ後、「ま、また明日ね」と言い残して去って行った。
「な、なんだったんスかねー……」
「明らかに私たちは視界の外でしたね……」
「…………」
「え、みんな何? なんでそんな目であたしを見るのっ!?」
俺たち三人の視線を受けて、ルネリーが慌てる。
そういうことに疎い俺でも解った。あの男性が、ルネリーに気があるのだろうということは。まあ、あそこまで彼女しか眼中に無い様子を見せつけられれば、誰にでも解るとは思うが。
「で、で? ネリー的にあの人……ば、バリモットさん? はどうなんスか?」
「うえっ? ど、どうって言われても……」
にやけ顔のチマに肘でつつかれ、困った顔をするルネリー。答えあぐねる様にしながら此方をチラチラと見てきているが、何か言いたいことでもあるのだろうか?
「……でも、私も気になるかな。正直なところ……どうなの、ネリー?」
「しょ、正直なところ…………ない、かなぁ」
「えぇ〜〜? って、まあ思った通りッスけどねー」
「クス。……だね」
三人の笑い声が聞こえる。
色恋の話に花を咲かせる様は、年相応の女子たちだ。不意にそういう話題で盛り上がることがあるが、こういう時はひとり男の俺は話に入りづらく身狭い思いをする。
しかし、今この時だけは別のことが俺の頭を埋め尽くしていた。
『――あ、そうだ。ビーターといえばさぁ……バリの野郎が、ついにやるらしいぜ?』
『じゃ、改めて。俺の名前はバリーモッド、よろしく』
『おーい! バリ〜〜行くぞ〜〜!』
――《バリ》……。
昨日の夜、酒場に居たプレイヤーの話していた《バリ》という人物。
俺たちが最初に声をかけ、つい先ほど自己紹介をした男性、《バリーモッド》。
二人が同じ人物だという確証は無い。しかし、《バリ》と付く名前は珍しく、西洋的な名前の多いこの世界においてもバリーモッドと名乗った男性以外に俺は聞いたことは無かった。もし同一人物なのだとしたら……。
「…………」
――だったら、何だというのか。
名も人柄も知らぬ《ビーター》という輩(やから)が、《バリ》なる人物に命を狙われているかもしれない。だが、それが俺に何の関係があるというのか。
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