SAO編
第一章 冒険者生活
11.第三層フロアボス攻略会議
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打ち合わせの真っ最中。とてもじゃないが、しばらく期待は出来そうにない。
この場に居る誰もが、このあとはどうするんだという疑問を浮かべ、だが誰も行動を起こそうとせずに愚痴の囁きばかり多くなっていく。
「俺ら放置?」
「うわー、貧乏くじぃ……」
「誰かー、ボス戦に詳しい奴いねぇのー?」
無責任な声が大きくなる中、しかしそれに応えるようにおずおずと手を挙げる人物が居た。
「あー……俺は一応、第一層のボス戦から参加してるけど……」
その人物は《セイナード》と名乗った。
全体的に丸みを帯びた体に金属製の胸当て、腕甲、斧槍を装備し、そして何が入っているのかは解らないが登山用のような大きなリュックサックを背負っている。見た目では歳は解りにくい。十代後半でも二十代でも納得できる容姿だ。
橙色の額当てを付けた丸い頭を掻きながら、セイナードは気だるげに口を開いた。
「…………で、どうするの?」
『だあっ』
セイナードの言葉に何人か――ルネリー、チマを含む――が前のめりに滑る。
ようやく先頭に立って指示してくれる人物が現れたと思った矢先、その人物自身が何を言うべきか解っていなかったからだろう。多分、先ほどの「ボス戦に詳しい奴はいるか?」という何でもない呟きに律儀に答えてくれただけなのかもしれない。
「あー……じゃー、まずは攻撃部隊アタッカー部隊ってどうやって動くか教えてくれー」
こうして、特に誰が先導するということもなく、知っている者に各々が質問して情報を共有し、するべきことが解ってからはとんとん拍子に事は運んだ。……と言っても、どういう風に並んでどう動くのかが解っただけで、実際にどういう順番で並ぶかは当日に適当に、ということらしい。幸いだったのは攻撃部隊と壁部隊との連携を担当する者が決まったということだろうか。どのタイミングで攻撃を開始するのか、他の者と交代するのかを指示してくれる者を誰にするかで随分時間を割いたが、結局は怨みっこ無しのじゃんけんに落ち着き、《ポスキム》という若い男子プレイヤーがその役割を担うことになった。
「明日の朝九時にまたこの広場に集合! 隊列を整え九時半にはここを出発、正午にはボスを倒して四層に向かうようにする! と、それじゃあ明日はよろしくたのむ! ――では解散っ!」
支援部隊でのことが一通り決まった後、再び中央のプレイヤーからお呼びが掛かり、三ヶ所に分かれていたプレイヤーたちは広場中央に集まった。そして、リンド、キバオウと数人のプレイヤーからボス戦での注意事項や決まりを聞くことになった。声を出し合って自分の状態は常に周りの人に知らせること。POTローテ(ポーション交代)のタイミングと合図や、最悪の事態になる前の撤退タイミングとその方法。最後に
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