SAO編
第一章 冒険者生活
11.第三層フロアボス攻略会議
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ーであって、プレイヤーではない……そう、まるでNPCとでも話しているかのような感覚。そんな感覚を、俺は彼から受けた。
「……フッ、今はまだ、名乗ることは止めておこう。だが、いずれ再び出会ったそのときは――――」
そう言い残し、男性は踵を返して人ゴミの中へ去っていった。後ろで縛っている灰色の髪を揺らしながら歩くその後ろ姿は、とても印象的だった。
「おーい! これから隊分けをする! 各PTはリーダーを先頭に一列になって並んでくれ! そうそう、一列が横にズラーっと並ぶ感じで! で、そのあと指示するのでPTの構成に応じた部隊へと移動して貰う! 攻撃部隊アタッカーと言われたPTは広場中央に集合! 壁部隊タンクは広場右端のあの木! 支援部隊サポートは広場左端の民家の前! いいな!? じゃあ並んでくれ!」
多くの謎を残したローブの男性が去ってから間もなく、広場中央で話し合っていたプレイヤーの一人が、話し合いに参加していなかった者たちに呼びかけてきた。
大半の者たちは慣れた様子で、そして俺たちを含む一部の者たちはぎこちない動きでその呼びかけに従い移動して行く。
「この構成だと……そうだな、《支援サポート》に入ってくれ」
ルネリーたちの先頭に立つ俺にそう告げたのは、確かリンドという者のPTメンバーの一人だ。そして、あの男性の言葉通り支援部隊に配置された俺たちは、広場に面する場所にある民家の前に移動した。木造洋風二階建ての民家を囲う背の低い垣根の前に、約三十人ほどのプレイヤーたちが集まる。やはりと言うべきか皆、長柄の武器を手にしている者が多い。
「ちぇー、やっぱ支援サポートかよ。裏方じゃん」
「んで、リンドPTやキバオウPTとかはちゃっかり花形の攻撃部隊アタッカー、っと」
「しかも、アタッカーの集合場所は広場中央にして、自分たちは動かないし……」
「仕方ねぇだろ? 実際、仕切ってんのアイツラだし」
「メンドイことも引き受けてくれるってんだし、別にい〜じゃん」
「ぶーぶー」
「鳴くなよ」
しかし、ここに集まった連中の士気の低さが目立つ。ひとりが愚痴を零すと周りがそれに同調し、愚痴が盛り上がるのと反比例して士気が下がっていく。何とも嫌な雰囲気だが、それを指摘出来るほどの対人能力は持ち合わせていない。
「…………」
ルネリーたち三人も居心地の悪さを感じているようだ。出来る事ならどうにかしたいが……。そもそもボス戦を知らない俺が前に立ってまとめられるのかという問題もあれば、此処にいるほとんどは恐らく年上、年功序列を考えれば年下の俺が出しゃばることは出来ない。一縷の望みを持って、先ほど広場中央で話し合っていた者たちの誰かがまとめに来てくれるのを待つが、見れば攻撃部隊、壁部隊ともに
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