暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
11.第三層フロアボス攻略会議
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の店を覗いてみたら既に《アルゴの攻略本・第三層ボス編》が置いてあった。周りに見えるプレイヤーたちのほぼ全員がそれを目に通している。もしかしたら昨日のあの時点でこちらの準備は終えていたのかもしれない。常に他に先んじなければいけない情報屋というのも、忙しないものだなと思った。







「みんなー! 攻略本は呼んだか!? ボス部屋の前でももう一度説明はするが、各自しっかりと頭に叩き込んでおけよ!」

 九十七人。この場に集まったプレイヤーの総数だ。聞けば、一層のボス戦のときとは倍の人数らしい。そのせいか、大多数に気の緩みが見える。先導しているプレイヤーたちとは意気込みが雲泥の差だ。

「キリュウさん。がんばりましょうね!」
「……ああ、そうだな」

 このような中でもルネリーは元気を振りまいていた。その笑顔に力を貰った気持ちになった俺は、ルネリーに応えてから周りを見渡す。

 ――居た……。

 プレイヤーの密集する広場、隊列を考え、組み直しながら整列している。俺たちの居る列の前方には、件のプレイヤー《バリーモッド》。そしてその更に前方に《ビーター》なる人物。昨日の夜にアルゴに問われたことの答えは見つからない。だが、やはり放っておくことは出来そうにない。ビーターの件は勿論、それに加えルネリーたちのことも気に掛けなければならないだろう。今日は忙しくなりそうだ、と自分に喝を入れる。

 ピピピピピ――。

 そのとき、俺にしか聞こえないように設定したアラームが鳴り、メッセージの着信を告げる。そして時を同じくして、先頭のプレイヤーが声を張り上げた。

「準備は出来てるな!? ――では出発する!!」

 号令の後に動き出すプレイヤーたち。一団となって迷宮区へと向かう姿は、正に壮観だ。こちらを見てくる三人に無言で頷き、俺たちも歩き出した。


 ――様々な思いを胸に、初のボス戦が……始まる。
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