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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
004 決意──らしきもの
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関係の無い──それこそ実体の無いフィクションの様に思えて仕方が無かったんだ。……今でも(チート)≠ネんて貰っていい気になってた。……本当の意味で俺は生きて≠ネかった」

<良かったじゃないか>

ドライグの澄ました声が癪に障る。……が、言わんとしている言葉は何となくだが判る。

「一応訊いておこう──何でだ」

<人間は間違えても学習する事が出来る生き物だと、歴代所有者の1人が言っていた。……今回の件を境に、考え方を改めれば良いじゃないか>

「人を5人も──いや、6人も殺してしまった。しかも、男5人にいたっては人間の形をしたナニか≠ノしか見えなかった……!」

<言っておこう。あんな唾棄すべき下郎共の命を相棒が気に病む必要は無い>

ドライグの静静とした語らいは続く。

<あの手の輩は温情で見逃したとしても、また同じ罪を重ねる可能性が高い。……俺の経験則上な>

「ああ、そうだろうよ、そうかもしれない。……でも、俺は何となくだがこの気持ちを忘れちゃいけない気がするんだ」

<ふっ、判ってるなら良いさ。……ここで相棒が俺の意見に賛同するようだったら、諌めていたところだ>

「ありがとよ、ドライグ。決めたよ。……俺は人を殺さない──とは言わない。だが、人を殺した事から逃げない。……もし俺が道を間違えそうになったら、俺を叱ってくれよ?」

<いいだろう。相棒の誓いは確かに、この天龍の片割れであるドライグが聞き入れた。……そして、相棒が道を違えそうになった時は俺が忠言する事を約束しよう>

(ああ、俺は幸せ者だな)

こんなに良い友人──友龍(?)と友誼を結ぶ事が出来るのだから……

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

とりあえず、ハルケギニアでのお金に当たる物を手に入れる為と、この世界の情報を集める為に、最寄りの大きな街に向かう。

「方角だけ“答えを出す(アンサートーカー)”で出して、後は徒歩にするか」

最近“腑罪証明(アリバイブロック)”に頼ってばっかりだったし、ロクに転移先の設定を詳しく決めて無かったが故にあんなモノ≠見た所為で、当分“腑罪証明(アリバイブロック)”を使うのは憚られる。……後悔先に立たずとは正にこの事だろうか?

「あっ、そうだ。この世界には魔法があるんだったな。……あいつら≠燻gってたし」

最寄りの街へ向かう道中。俺はとある事を思い付き、数年振りの“有言実行(ネクストオネスト)”を行使する。

「俺は【ゼロの使い魔】の魔法を使う事が出来るし、使い方も判る=v

久方ぶりの知識が頭を蹂躙する感覚。違和感はあるものの、痛みは特にない。……コモン・マジック、系統魔法、精霊魔法、虚無魔法の使い方が流れ込んでくる。

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