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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
21.迷宮の真意
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!?」
思いがけない言葉に彩斗は身を震わせる。
監獄結界の噂なら、この島の人間なら誰でも知ってる都市伝説だ。凶悪な魔道犯罪者を封印する幻の監獄。
「そんなもの、ただの怪談じゃなかったのかよ……!?」
古城が驚愕に声を洩らす。
「いや。監獄結界は“魔族特区”を流れる
龍脈
(
レイライン
)
の力を使って造り出された、人工的な異世界だ。その存在は見えない。それを造り出した理事会の連中さえ、どこにあるのかわからない。だが、たしかに存在する。この絃神市のどこかにね」
「そうか、この空間の歪みは……監獄結界の在り処を探るために……」
歪めた空間の中に隠されたものを見つけるために、優麻は絃神市全域の空間を歪めた。
「そういう……ことかよ」
優麻は、母親を探してると言った。それは彼女の母親が監獄結界に封印されているということだ。
「楽しみだねェ……異世界の迷宮に封じこめられなければならないほどの魔道犯罪者たち。そいつらが一斉に街に解き放たれたらどうなるか。まァ、安心してくれ。脱獄囚たちは、このボクが責任をもって再び捕まえてみせるとも」
浮き浮きとした口調でヴァトラーが呟く。
「アホかあぁぁっっ──! 安心できるかっ、んなもん!」
「テメェが自分で楽しみたいだけだろうが!」
古城と彩斗が絶叫する。
これでヴァトラーが優麻たちの行動を眺めている理由がわかった。
言いたいことを言い終わると、お得意に霧で姿を消した。
「──先輩! 下がって!」
突然として雪菜の鋭い声が、叫んだ。古城の目の前には、巨大な触手が埋め尽くしており、古城の動きを止めている。
「──っ!?」
「“夢幻龍”──!」
迫り来る触手が一筋の銀の煌めきが薙ぎ払う。さらに迫り来る触手を雪菜の槍と友妃の刀が切り裂く。
だが、触手は動きを止めない。
触手を操ってるのは、優麻の左右に立つ二人の魔女。穏やかな優麻の態度と対照的に、彼女たちは暴力的な興奮と喜びで顔を歪めている。
「漆黒と緋色の魔女の姉妹……! まさか“アッシュダウンの惨劇”の……!?」
二人が使う術式に気づいて、雪菜かすかに眉を動かす。
「なるほど……私たちの“守護者”に牙を剥くだけのことあって、小娘にしてはよくお勉強してるようですわね」
「──察するに巫女の類といったところでしょうか。どうなさいます、お姉様?」
「できることなら手足を引きちぎり、腹を引き裂き、我らが儀式の贄として使いたいとこですけど、“蒼の魔女”の本体にもしものことがあってはいけませんわね……例のものがみつかるまで、せいぜい丁重にお相手して差し上げましょう」
「残念ですわ。死体にしたら映えそうな、綺麗な娘
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