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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
21.迷宮の真意
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とも黄金の翼がそれを拒絶するはずだ。
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
が封鎖している上空を軽々とくぐり抜け、キーストーンゲートの屋上へと目指す。
屋上に近づこうとした瞬間、斑模様の触手がこちらへと攻撃してくる。
「ちっ! ……蹴散らせ、アテーネ!」
彩斗の声に応えるように梟は咆哮し、黄金の翼で触手を引き裂く。
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
の攻撃で傷一つつけられなかった怪物を易々を無力化し、消滅させる。
魔女たちの“守護者”の壁が破れて、その中が露わになる。
鮮血の魔法陣。その左右に立つ二人の魔女。
そしてその中央には、黒い礼服を着た少年が立っている。吸血鬼をイメージした燕尾服。
「君のほうが早かったんだね、彩斗」
振り返った少年。第四真祖の力を受け継いだ吸血鬼、暁古城そこにはいた。
「あぁ……“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”にあんな小細工なんて効かねぇからな」
「君は古城によく似ているよ。なにもわかってないのに、こんな危険な場所に現れる」
「危険な場所に来させてるのはどっちだよ」
皮肉を言うように彩斗は苦笑いを浮かべる。
だが、優麻の手の中にあった一冊の魔道書を確認し、苦笑いから真剣な表情へと戻る。
「──ユウマ!」
突如として聞こえた声に振り返る。
そこには、エプロンドレスを着た雪菜と優麻の身体に入った古城がいた。
「早かったね、古城」
古城の名を呼んだ優麻は、どこか嬉しそうに見えた。
「心配しないで。この身体はすぐに返す。だから、少しだけ待ってくれないかな。もうすぐ見つけられそうなんだ」
優麻は優しい表情で笑う。
「見つける……って、なんのことだ……?」
「ボクの母親だよ。生まれてから、まだ一度も会ったことはないけどね」
「母親……って……」
古城は動揺し、彼女に疑問をぶつけようと魔法陣に足を踏み入れる。それを制止するように、笑い含みの声が聞こえた。
「──そこまでだよ、古城。それ以上は彼女に近づかないでくれないかな」
「っ!? なんでおまえがこんなところに……!?」
古城は驚愕の声を洩らした。
声のした方向に彩斗も顔を向ける。そこに立っていたのは金髪碧眼の青年貴族だ。
「やァ。古城、しばらく見ないうちに、ずいぶん可愛らしい姿になったじゃないか」
舌なめずりをするようなヴァトラー。
“旧き世代”の吸血鬼、真祖に最も近いと呼ばれる青年。
「ヴァトラー……今回の騒動もテメェが関わってるってわけか」
彩斗が声色を変えて口にする。
「いやいや、ボクはただ待ってるだけサ……彼女たちが監獄結界をこじ開けるのをね」
「監獄結界……
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