憎悪との対峙
26 隠される真実
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に来る」
「...スゲェ...美人のお姉さん」
「笹塚、残念だけど36のオバサンだよ」
「ちょ...マヤさん...オレの方が12歳も歳上なのに...」
笹塚は悔しそうな顔をしながら下を向いた。
そして若そうに見えるがそれを見破れなかった自分の女性を見る目の無さを痛感した。
「で、誰ナンスカ?」
「高垣美緒、36歳のオバちゃんだがタダのオバちゃんじゃない。ニホンI.P.Cエンタープライズの主要株主。そんでもってValkyrie執行役員の1人でもある」
「オバちゃんって...」
「どうやって調べたんすか?データベースへのアクセスは今...インターネット経由じゃ」
「原始的な聞き込み...それと不思議な因縁だろうな、見てくれ」
「ん?」
「例の中学生大量殺人の資料?」
「データベースにアクセスするまでも無く、手元にあった」
マヤはバッグから印刷されていた紙の資料を取り出し、テーブルの上に並べた。
「例の中学生の資料...例の中学生たちが殺される前にかかっていた容疑だ。窃盗、傷害、公務執行妨害、街の迷惑防止条例違反なんかだが...これ、殺される約1週間前、同じクラスの女子生徒1人、男子生徒1人に暴行を加えたらしい。で、その被害者の女子生徒の名前が『高垣美弥』、高垣美緒の実の娘だよ」
「え...」
「彼女は今、病院で治療中だが意識不明の重体、一緒に被害に遭った...というより彼女が巻き添いで連中は男子生徒の方を狙ったらしい。この生徒の名前は『沢城アキ』、聞き込みによると、この連中の典型的ないじめられっ子らしい。正直、学校の生徒に聞き込んだんだが...酷いの一言だぜ。あと、かなり頭が良くて運動もそれなり、虚弱な体質でガラス細工みたいなきれいな肌で女子と見分けがつかないくらいの美少年らしい」
「写真は?高垣の娘の分はあるのに...」
「無いんだよ、1つも。学校も提供してくれないし、人付き合いが無かったのか、プリクラはおろか集合写真にすら写ってなかった。自分から避けてたっていうより、学校から除け者にされてたらしい。生徒たちからの印象も「キモイ」とか「女子トイレ覗いてたやつでしょ?」とか「あぁ、みんなのサンドバッグね」とか会ったことも無い生徒たちからすら嫌われてた。多分、学校全体が彼をイジメの標的にすることでストレスとか発散してたんだろうな」
「最低な奴らですね...」
「そんで一応、運び込まれた病院に行って確認した。彼は病院を抜け出して行方不明らしい。完全にアンノウンだ」
マヤは背もたれに体重を掛けて深呼吸した。
そして再び話に戻る。
「まぁ彼のこの辺にしとこう。正直、コレ以上は私も気分が悪くなっちまったよ...で、この殺された不良連中はValkyrieから武器を買ったせいで調子づいて色々とこんなこと始
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ