憎悪との対峙
26 隠される真実
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猿の仲と言わざるをえない。
現場で鉢合わせると大概、縄張り争いに発展する。
だが今回の人事は異例だった。
警察から出向してきた、つまり警察から刺客であり、WAXAが警察のいいように動かされてしまう可能性だって十分にある。
「多分...何かの圧力か...」
「でもヤバイでしょ、このままじゃ生徒全員見殺しand皆殺しっすよ」
「暁...アイツと連絡は?」
「既に配備についたと連絡係から。でも暁さんのことです。案外、命令に従うフリしてなんかやらかしてくれるかも...」
マヤは帰ってくるなり伝えられた現状に驚きを隠せずにいた。
そして自分が調べてきた事の存在意義を考え始めようとしていた。
「そういえば、マヤさん、調べてきた結果は?」
笹塚が話題を変えようとした。
「あぁ...どうやらこれは内部犯の可能性が高い。外部から何らかの脆弱性攻撃が行われ、バックドアを仕掛けられたとは考えにくいな」
「え?」
「PC自体のアクセスログだと改ざんされてる可能性があったから、通信ログをプロバイダーとか改ざんされにくいところから調べたんだよ。当日の攻撃以外の攻撃はほぼゼロ、それも全部侵入に失敗してやがんの」
マヤは自分の調べてきたデータを表示した。
アクセスログ、確かに全て失敗している。
つまり誰かが前もって侵入して裏口を作っておいたとは考えにくいのだ。
「もし仮にこのログも改ざんされているとしても、当日のログは残ってた。確かにこのインターネットが使えない状態なら追跡には時間がかかるにしても、こっちは改ざんしていないってのはな...」
「つまり...」
「この踏み台にされた管制PCを調べた。結果はビンゴ、外部ストレージの中のバックドアを起動したログが残ってた」
「じゃあ内部の人間が...」
「そうとも言い切れないな。このシステムはI.P.Cが協力して構築されたんだが、定期的に検査にやってくるらしいんだ。で、バックドアが仕掛けられた日時がI.P.Cが検査に入ってる日時とほぼ一致」
「じゃあ...I.P.CがValkyrieと繋がってる...?」
「その可能性も出てきた...で、もう少し調べてみた。この検査に入ったI.P.Cの連中の中でValkyrieと関係ありそうな奴、聞き込みしてもらって出てきたのがこの野郎」
マヤが映しだしたのは若干冴えない格好の男性社員のデータだった。
「話じゃコイツ、Valkyrieの系列の...町金っていうんだっけ?取り敢えず金貸しから結構借りててな、だけどコイツ、その借金が数日前に完済されてる」
「借金の形にバックドアを仕掛けるようにそそのかされた可能性は十分ありますね」
「それに人間関係だ。ニホンI.P.C本社の近くの飲食店の防犯カメラ映像、コイツはよくこの女と一緒
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