憎悪との対峙
26 隠される真実
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ハートレスは彩斗に背を向け、リビングの端の方にある本棚の前に立った。
何やら学術書や小説などあらゆる本が綺麗に並んでいた。
しかし彩斗はその本の並びに違和感を覚えた。
「...変だね。VierzehnとVierzigが逆だ」
「え?」
「正解」
ドイツ語の本が並んでいる部分、それはシリーズ物の本のようだが14を意味するVierzehnと40を意味するVierzigが逆に並べられていたのだ。
ハートレスはその本の並びを直し、本棚の横についていた取っ手を引っ張った。
「!?」
「そういうことか...ただの家じゃないってわけだね?」
「そういうことね」
本棚はまるで扉のように開き、そこには四角な狭い部屋があった。
ハートレスに続いて彩斗とアイリスは中へと入る。
「ここに何が?」
「ここ自体に特に意味があるわけじゃないわ」
「まさか...」
何かを察したアイリスの反応にまるで子供のような笑みを浮かべながら、ハートレスはレバーを引いた。
「うっ!?」
「エレベーター...」
体に急に浮いたような感覚が走り、床が沈み始めた。
まるでフリーフォールだった。
恐らくはそこらのビルにあるようなエレベーターの数倍の速度で降下し、3人を目的地へと案内した。
「さぁ、ついたわ」
真っ暗な中、ハートレスの声が聞こえた。
ハートレスは彩斗とアイリスから離れるように歩いて行っているようだった。
だがハートレスが歩くに連れ、視界が明るくなっていった。
センサーが反応し、天井のLEDパネルが発光を始めたのだ。
「!?....ここは」
「スゴイ...地下シェルター....」
そこには広大な空間が広がっていた。
ざっと25メートルプールが6つ分くらいはある。
コンクリート製の壁と床にLEDパネルの天井、中央には大量のパソコンが大量のデータを処理しているという世界だった。
それを取り囲むように川のような大きめの溝が張り巡らされ大量の水が流れていた。
「かつてこのコトブキ町には『ゴスペル』と名乗るネットマフィアが巣食っていてね。その名残とでもいうのかしら?そこらを掘れば、この手の秘密基地はいくらでも見つかるのよ。私はそれを勝手に使わせてもらってるわ」
「....」
ハートレスは中央のデスクに座り、設置されたPCを操作した。
すると彩斗がいた近くの壁がせり出してきた。
「おっと!?」
思わず身を引く。
ハートレスのPC操作によって反応し、壁に隠されていたものが姿を現した。
「....そうか...ここはディーラーの武器庫なのか...」
「そうね。武器庫でもあり、不採用となった試作品の武器の保管場所でもあるわ。例えば、あなたがさっき書いた計画で必要な電気系統
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