第1部
第2話 我、入国ス
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「さて、今日はパァーッと行くかパァー…」
「「「「「「「うわッ??」」」」」」」
「……ッと…な……」
親父がドアを開けた瞬間、雷や電達駆逐艦娘や、妙高や利根達巡洋艦娘、更には金剛や伊勢達戦艦娘がわらわらと部屋の中へ崩れて来た。
どうやらずっとドアの外から聞き耳を立てていたようだ。
「はわわわ…バレちゃったのです……」
「お、おい足柄…重いからどいてくれないか……」
「酷いわ那智姉さん、私姉さんとあまり変わらないわよ」
「せ、接近を許すとは……無念なのじゃ…」
「利根姉さん、大丈夫?」
「むむ…伊勢、ここは一時撤退を……」
「そ、その前に日向、どいてくれないと動けないわ」
「Oh…油断したのデース…」
「ひ、ひえ〜……」
「……お前等………」
我先にと逃げ出す皆を怒鳴りながら追い掛ける親父は、酷く滑稽だったとだけ言っておこう。
???
同時刻 太平洋
漆黒の闇に浮かぶ満月が、広大な大海原を淡く照らし出す。
波間に煌めく月光は、まるで宝石を散りばめたように輝き、波の音が響く海上を幻想的に彩った。
その漆黒の海の上に、巨大な影があった。
「………」
《姫=A如何サレマシタカ?》
「……何デモナイワ。
…其レヨリ、偵察結果ハ?」
《追撃ノ艦隊ハ見受ラレマセン、逃ゲ切レタ様デス》
「……違ウ…」
《…ハイ?》
「……ヲ級ニ偵察ヲ続ケル様伝エナサイ」
《了解シマシタ、艦隊旗艦》
闇に浮かぶ3隻の軍艦。
軍艦にしては異様に巨大、そして有機的なデザインが目立つ。
人類が深海棲艦と呼び恐れる存在だ。
その先頭を進む艦、戦艦棲姫≠ヘ、腹心である戦艦ル級に要件を伝えると、気だるさそうに艦橋の上に座り直し、長く艶のある黒髪を掻き揚げ、溜息を吐いた。
「……何故?」
何故…と戦艦棲姫は呟き、繰り返した。
戦艦棲姫は元々、深海棲艦ではなかった。
深海棲艦は艦娘達と同じ、本質的には艦霊だ。
そして戦艦棲姫自身も、艦娘として戦っていた記憶がある。
だが、いつの間にか深海棲艦になっていた。
理由は定かでは無い。
然し戦艦棲姫には艦娘として戦っていた記憶はあるものの、自身がどんな艦娘だったか、何処の鎮守府所属だったか、何故深海棲艦になったのかも思い出せなかった。
「……何故アノ時…」
戦艦棲姫は、昼間の戦闘に想いを馳せていた。
戦艦棲姫はわけもわからず、近くに居た戦艦ル級、空母ヲ級と一緒に太平洋を何ヶ月も彷徨っていた。
そんな時、偶然出会ったもう一隻の戦艦棲姫に連れられ、深海棲艦達が集まっているという鉄底海峡を目指す事になったのだった。
だがその航海中、もう一隻の戦艦棲姫が艦娘達の艦隊を見つけ、いきなり進路を変えて攻撃を始めたの
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