曹操聖女伝第7章
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截教派の仙人である趙公明が旧知を平気で裏切る文官如き敗ける筈が無い。
「……いかがやら、まことに罰を得るべきは曹操殿ではござらず……お主のごとしな……許子遠!」
趙公明が所有する宝貝の1つである金蛟剪に噛み殺された許攸であった。
「そなたの口から“じゃから白馬に向かゑば良かったんじゃ!”と申して欲しかったでござるよ……曹操殿も其れを望みてゐる……」
趙公明の頬が涙で濡れていた。
その頃、袁紹は呑気に伝令兵の報告を待っていた。既に自分の策略が失敗に終わった事も知らずに……。
「うわっははは。予想通り、官渡城から多く兵士達が飛び出してきおったわ!もうじき、曹操も御終いよ!」
「白馬には我が軍きっての勇将である文醜と顔良が駐屯しておりますからな」
「そろそろ、良い知らせが届く頃です」
「うむ」
「伝令!」
「おっ、どうやら知らせが来たようです」
袁紹に片膝をついて礼をするのももどかしげに、
「淳于瓊様、烏巣にて敗北!」
袁紹の顔色が一気に真っ青になった。
「曹操が烏巣を!?うそーーー!」
袁紹にとっては訳の解らない事であった。白馬に誘き寄せる為に偽の裏切り者を生み出し、曹操の猜疑心の発動を遅らせる為に劉備を使って南方の豫州の汝南郡(元は袁氏の膝元の地である)に反乱を起こさせたのだ。
にも拘らず、曹操軍は白馬ではなく烏巣を選んだのだ。此処まで自分の策を見破られては立つ瀬が無い。
郭図(字は公則)が
「この間に官渡城を攻撃すれば、敵軍は必ず引き返すでしょう。そうすれば、援軍を出さなくても解決できます」
と言い、
張?(字は儁乂)は
「敵陣は堅固なので勝てません。それよりも早く淳于瓊を救援するべきです」
と言った。
その結果、今までの奇策塗れが嘘の様に軽騎兵を烏巣に向かわせ、重装備の兵で官渡城を攻撃するという中途半端な選択をした。
このグダグダな作戦は許昌周辺を荒らし回っている劉備軍にも伝えられた。
袁洪は呆れながらこう進言した。
「最早袁紹軍に勝ち目はありません。このまま逃亡した方が身の為です」
しかし、劉備は変な予想を立てていた。
「ノー、ナウなら官渡キャステルを攻める事が 出来る。曹操の事だ、烏巣強襲の陣頭フィンガー揮はAサーヴァントが 執っている筈だ。つまり、官渡キャステルに曹操は居ない」
袁洪は引き下がらない。
「恐れながら、確信のある予想とは思えません!もし万が一曹操が―――」
劉備は邪な微笑みを浮かべながらこう答えた。
「ノープロブレム。曹操は居ない」
だが、袁紹軍と合流した劉備が見たモノは……神兵化した曹操であった。
「まさか……旧知に裏切られたその日に仇敵の顔を拝む羽目になるとはな」
劉備にとって最も避けたかった曹操との直接対決が実現してしまった。
「馬鹿な!?なぜユーが
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