曹操聖女伝第7章
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せてやりましょう!」
それに対して、沮授や田豊(字は元皓)は持久戦を主張。
「それはならぬ!ここ数年、出兵続きで民衆は疲れ切っており、財政も逼迫しております!」
「田豊殿の申される通りです。国力さえ充実しておれば、曹操など恐れるに足りません!」
「だが、どこぞの白馬馬鹿のせいで曹操が今上帝の後ろ盾を得ている状態のまま!これ以上曹操が育てば手がつけられなくなる!その前に叩くのが上策!」
因みに、公孫?は武勇に優れ白馬に乗っていた。また公孫?は降伏させた烏桓族から、騎射のできる兵士を選りすぐって白馬に乗せ「白馬義従」と名づけたので、異民族から「白馬長史」と恐れられた。
袁紹は郭図の言を受け入れた。
「よくぞ申した!沮授や田豊の意見は臆病者の慎重論に過ぎぬ!天下の覇者たる袁本初には相応しからぬ愚論よ!」
こうして曹操軍への土竜戦法が開始されたが、前述通り竜鬚虎の道術に敗れ、大成功直前になって突如中止となった。
二郎真君が今後を曹操に訊ねる。
「あの袁紹の事だ、これしきの事では引き下がるまい」
賈?が即座に付け足す。
「さよう!あんな坑道作戦を考えた連中じゃ、今頃とんでもない手を考えとるかもしれんて」
許?が食って掛かる。
「貴様には訊いとらん!」
??が呆れながら告げる。
「おいおい、反省はすれど後悔はするなと言う言葉を知らんのか?」
二郎真君が強引に話を押し進める。
「それなら、誰かが袁紹軍の様子を―――」
??が即挙手。
「はいはーい。俺が行きまーす」
そう言うと、??は官渡城を飛び出していったが、僅か3分で慌てて戻って来た。
「おいおい……ありゃ12万はいるぜ……」
「こちらの5倍ではないか!」
「河北四州中の兵士をかき集めて来たか!?」
「それに、物見櫓がうじゃうじゃいるぜ」
賈?が首を傾げた。
「はて?我らの突撃への対応ですかな?しかし、数では袁紹軍が有利。突撃への備えは余り意味が無いような気が―――」
許?が嫌味を言う。
「おやおや?張繍軍きっての名将も袁紹が相手では形無しですか?」
??が完全に呆れていた。
「懲りねぇなー、仲康ちゃんも」
12万にも及ぶ袁紹軍と対峙する形となった官渡城。その城壁の上で敵軍を監視していた兵士達が奇妙な違和感を感じていた。
「おい、敵軍の櫓……昨日より大きくなっていないか」
「お前もそう思うか?俺もなんだよ」
このやりとりは即曹操に報告された。
「敵陣の物見櫓が大きくなった?」
「はい。門番や城壁にいる兵士達が口を揃えてそう言っております」
曹操は少し考え、あるとんでもない推測を言い始める。
「これで袁紹軍が櫓を大量に用意した訳が解ったぞ!」
「と言いますと?」
二郎真君がこれに続く。
「早い話が……近付いているんですよ。あの櫓は
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