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曹操聖女伝
曹操聖女伝第7章
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術で地面を深く陥没させる。それを呆れながら見ている曹操と二郎真君と趙公明。
「……弐人ともやり過ぎにては……?」

伝令兵の報告に驚きを隠せない袁紹。
「なにーーー!曹操も穴を掘りだしただとーーー!?」
「はい!城壁の傍に堀を掘りめぐらせている様子で……」
「その堀に官渡水の水を引かれたら、こちらの坑道は使えなくなってしまいますぞ!」
袁紹は心底悔しがった。
「折角の作戦も全て水の泡か……くそーーー!」

なんだかんだで袁紹軍の土竜戦法を破った曹操軍は、竜鬚虎をべた褒めしていた。
「いやーあんた凄かったんだな」
??の言葉に謙遜する竜鬚虎。
「いやいや、うちは只土ん中を見たやけや」
そこへ賈?がやって来て、
「何を言われますか。竜鬚虎が見抜かねば、今頃地中から湧いてくる伏兵の処理に忙殺されていたところでしょう。大手柄です」
許?は不機嫌そうにその様子を見ていた。それに気付いた曹操が声をかける。
「未だに許せんか?」
「曹操殿、あ奴は―――」
「みなまで言うな。確かに私から典韋を奪った張繍の罪は大変重い!だが、来る者拒まず。それが私の生き方だ」
許?は曹操の真っ直ぐな生き様に典韋が惚れ込んでいた事を良く知っている。だが、それでも許せないモノは許せないのだ。

曹操が官渡に向かう3日前もそうだった。
「なんと、私に投降したいと?……判らんな。貴公と張繍は袁紹に就くものと思っておったが……」
賈?はしれっとこう言い放った。
「確かに袁紹の勢力は兵力だけ見れば曹操の数倍。常識的に視ればとても勝ち目はありますまい」
それを聴いた許?が怒りだした。許?にとっては張繍と賈?は典韋の仇である。その仇が曹操の悪口まで言うのだ。とても我慢が出来ない。
「な、何をーーーーー!」
「しかし、それ故に袁紹は私の忠告を聞く事は無いでしょうし、それに、袁紹は汝南袁氏の出身に胡坐を掻いている様に見えますな。故に曹操に勝たせたい。そう考えたのですじゃ」
「貴様ー!典韋殿を死に追いやっておいて何を今更!」
「才有る者なら例えどんな人物でも召し抱えるのが曹操殿の信条と聴いておりますぞ」
笑い半分、呆れ半分で聴いていた曹操は、賈?にとっては予想通りであり、許?にとっては予想外な答えを出した。
「評判通り、食えぬ御仁の様だな。気に入った!投降を許す」
「ははー。ありがたき幸せ!」
許?はソッポを向いてしまった。
「フン!」

この曹操・賈?・許?のやり取りは、すぐさま袁紹の耳に入り、
「何ーーー!?張繍と賈?が儂の招きを断って曹操に降った申すか!?訳が解らん!不愉快だ!」
郭図(字は公則)や審配(字は正南)らは公孫?を完膚なきまでに叩きのめした土竜戦法を主張した。
「こうなれば直ちに曹操を討伐し、張繍達を思いっ切り後悔さ
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