曹操聖女伝第7章
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的にはあまり良い手応えではない様だ。
それでも、最早劉備はワープ移動で逃げるしかなかった。たとえ曹操と董白のどちらかに勝っても、もう一方が劉備を斃してしまうからだ。
「Aとワン歩……Aとワン歩だったのにー!くっそーーーーー!」
どうにか劉備を追っ払った曹操。その切っ掛けを作ってくれた無名の巨漢の亡骸を悲しげに見ていた。
「大手柄だ!お前の働きは二度と忘れん!」
董白がバツが悪そうに言った。
「借りを返すのはまた今度になりましたね……さようなら」
袁紹軍は最早総崩れであった。
劉備による官渡城強襲は曹操に防がれただけでなく、張?と高覧は袁紹を見限って曹操に帰服してしまった。
袁紹は命辛々河北へと敗走した。こうして官渡城争奪戦は曹操軍の辛勝で幕を閉じた。
だが、曹操の心は重かった。旧知に裏切られ、劉備殺害の最大のチャンスを棒に振ったからだ。
一方、戦勝のチャンスを棒に振るう形となった袁紹は落胆のあまり病を発し、
「解らん……解せん!天から選ばれた筈のこの儂が。なぜ曹操如きに敗北せねばならんのだ!何故だ……何故なのだー!?」
202年5月、失意の内にこの世を去った。
それから数年の内に曹操は袁紹の領土を悉く平定し、204年8月、遂に本拠地の?を陥落させた。
この時、曹操は袁紹の墓を詣でた。
「許攸には裏切られ、袁紹を死に追いやってしまった。己の人徳の無さが身に染みるよ」
趙公明が少々きつめに励ました。
「其れにて良きとでござる。覇王の道は孤独な道、人徳にては天下は取れませぬ!」
曹操の返答は無い。
「劉備などは、この先たとゑ運、向おりきとしてちょーだいも……小幕府の王になるの、関の山」
曹操が漸く返答した。
「こんな乱世は一刻も早く終わらせねばならん!急がねばならん!勝ってこの覇道を極めるのだ!」
曹操の肉体年齢と外見年齢が未だに15歳の美少女のままだが、実年齢は既に50代だ。はたして間に合うのであろうか?
一方の劉備は、袁紹軍の予想外の敗北の影響で大怪我を負い機嫌が悪かった。
そんな時、曹操軍に捕らえられていた劉備の妻子が羊の体毛と角を持つ重種馬に乗ってやって来た。
「劉備様!例の女を奪還しました」
だが、劉備は悔しさのあまり妻を斬り殺そうとした。羊の体毛と角を持つ重種馬と化した楊顕が慌てて割って入った。
「劉備様!お気を確かに!劉備様はこの女をまた孕ませたではないですか!」
だが、楊顕は劉備の妻諸共真っ二つになってしまった。
「な……何故……です……劉備……様?……この……女は……劉備様の……子を孕んで……おる……の……に」
楊顕にとっては予想外且つ不本意な死となった。さすがの魔王級の邪凶である劉備でも自分の子を孕んだ女を殺すとは思ってもみなかったのだ。
だが、自分の子供への愛着より不
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